一般質問
1 押印の廃止について
2 平和基金について
3 食中毒への対応について
4 プレミアム付商品券事業について
5 監査のあり方について
6 その他
- ○議長(高橋かずちか)
- 次に、吉田 康一郎議員。
- 〔吉田 康一郎議員登壇〕
- ○12番(吉田 康一郎)
- 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田 康一郎です。よろしくお願いいたします。
まず、押印の廃止について、今回中野区の取組を伺う準備をいたしましたが、さきの日野議員の質問で、区が今年度内を目途に調査結果を取りまとめることが分かりましたので、この調査結果が示された後に改めて伺うことといたします。
次に、平和基金について、伺います。
中野区の財政について、区長は「非常事態にある」と表明し、来年度の予算編成に当たり一律経常経費20%削減というなかなか例を見ないシーリングを設定し、経費削減に取り組んでいます。
そこで、財政的手法という側面から、特定目的基金について、区長に伺います。
まず、平和基金について、現在1億円の基本額とした基金が設置されていますが、平和基金の設置当初からこれまでの運用益の推移を伺います。
次に、特定目的基金のうち、平成10年以降廃止となった四つの基金、すなわち中野刑務所跡地防災公園建設基金、施設建設基金、災害対策基金、少子化対策基金について、廃止の理由を伺います。
そして、基金の造成により事業費の財源を確保するという手法は、かつてのような恒常的な高金利を前提とした手法です。金融が国際化し、様々な要因から、先進国では超低金利が基調となるように経済の構造、金融の制度が大きく変わってしまった今日では、基金を積んでいても僅かしか金利は得られず、行える事業も僅かです。言い換えれば、同じ額の事業を行うのに多額の資金を寝かしておかなければならない基金は他の手法と比較して非効率だということになります。したがって、非常事態であるならば、基金を原資とした事業は一般財源で行い、基金自体は過去に廃止した四つの基金と同様に廃止し、一般財源に繰り入れて活用すべきと考えます。今後、金利がかつてのように高くなることはないと考えますが、今後の平和基金事業の在り方について、伺います。
次に、中野第一小学校での食中毒への対応について、伺います。
本件について、子ども文教委員会で質疑をしたところ、区が給食事業を委託した事業者について、教育委員会事務局は開会中に答弁することを避け、休憩中に事業者名を説明しました。しかし、区内の給食事業の受託事業者の情報は、中野区も参加している東京電子自治体共同運営協議会の東京電子自治体共同運営現地調達サービスのサイトにおいて公開されている公開情報であり、中野第一小学校の給食の受託事業者であるフジ産業も当然に公開されています。そして、そもそも「中野第一小学校」と「給食」とネット検索すると、最初と二つ目に表示されるのがフジ産業自身のサイトです。
子ども文教委員会では、食中毒の原因が断定されれば事業者名を公表する等の趣旨の答弁がありましたが、いまだ原因が特定されないまま、事故から一月以上が過ぎており、この間、教育委員会事務局から保護者や地域への説明はありません。これでは逆に憶測による不正確、不適切な情報が流布される可能性すらあります。公開されている事業者名を伏せるのではなく、事業者は公開されているとおり、どこそこだが、その事業者の行為が原因であったと特定されているわけではなく、事業者とともに原因究明と特定に向け調査中であり、再発防止に努めていくと、丁寧に説明することが適切な対応であると考えますが、いかがでしょうか。次に、中野区緊急応援プレミアム付商品券事業について、伺います。
第3回定例会一般質問において、コロナ禍の下、深刻な影響を受けている区内の事業者への支援策としてプレミアム付商品券事業について提案し、短期間の準備の中で実施していただくこととなり、高く評価しています。その上で、周知期間も短い中、どの程度の申込みがあり、現時点でどのように評価しているのか。また、今後どのように事業を進めていくのか、伺います。
そして次に、今回、A飲食店のみで使用できる券が設定され、飲食店における商品券の利用を促しているが、A券が使用できる店舗には飲食店ではない食品販売店やドラッグストア等も対象となっています。A券の区分の考え方について、伺います。
次に、これまでのプレミアム商品券事業と比べ、今回は申込期間が約2週間、有効期間が約3か月と短いとの声もあります。この理由を伺います。
そして最後に、同様の事業を実施している他の自治体では、商品券の販売所に購入者が殺到し、武漢発生ウイルスの感染リスクが高まったため、販売中止となるなどの事例もありました。中野区では、感染リスクに対してどのような対策を講じているのか、伺います。
次に、会計監査について、伺います。
昨年第3回定例会一般質問において、区の平成30年度定期財務監査結果報告書を見ると、個別の指摘事項は記載されていますが、年間の指摘件数、指摘全額の総額等についての記載がなく、監査結果の全体像が分かりやすく公表されていない。明快さ、区民にとっての分かりやすさ、説明責任を果たすという観点から、またより積極的な監査の契機となる期待も含めて、指摘事項の算出とその公表の在り方について検討していただきたいと質問したことに対し、今後、監査結果がより区民に分かりやすいものになるよう工夫や研究をしてまいりたいと、代表監査委員から答弁がありました。その後、この件についてどのように検討してきたのか、伺います。
その他の一つ目を伺います。親水施設の整備。今定例会に妙正寺川江古田川合流部擁壁補修工事に関する案件が提出されています。この機会に、河川の親水施設の整備について、伺います。
中野区には、数少ない河川の親水施設として、妙正寺川に白鷺せせらぎ公園の親水デッキ、上高田の親水テラスがありますが、実は護岸の階段を下ると川の水に少し近づけるだけで、本来の川の水に触れて親しむことができるという意味の本当の親水施設とはなっていません。
中野区の下流の新宿区では、高田馬場付近の神田川に親水施設があり、子どもたちが川底まで下りていき水遊びができる場所があります。この親水施設は、区有施設に近接しており、利用時間帯にはスタッフが常駐し、安全を監視しながら管理しています。安全な管理の人員を確保するため、区有施設の近接が必要なのであれば、例えば妙正寺川に近接する区有施設としては、鷺宮体育館、野方図書館、哲学堂公園、上高田運動施設等、候補地は幾つもあります。今後、区有施設に近接して親水施設を整備することはできないか、伺います。最後に、人権行政について、伺います。
北朝鮮人権侵害対処法は、拉致問題に関する国民世論の啓発を図るよう努めるなど、国及び地方公共団体の責務等を定めています。昨年度、第3回定例会において、拉致問題解決に向けた区民への啓発について伺ったところ、区としても工夫しながら啓発に努めていくとの答弁をいただきました。事態は少しも進んでおらず、6月5日に拉致被害者家族会初代代表の横田滋さんが87歳で亡くなるなど、無念さが強まるばかりであります。拉致被害者家族会の方を講師として招聘する講座を開催するなど、区民への啓発を一層充実させるべきだと考えます。区の啓発状況について伺い、簡潔明瞭かつ建設的な答弁をお願いし、私の質問を終わります。ありがとうございました。
- 〔区長酒井直人登壇〕
- ○区長(酒井直人)
- 吉田 議員の御質問のうち、私からは、プレミアム付商品券事業について、お答えいたします。
まず最初に、申込み状況等についてでございます。申込み人数は3万5,320人で、最大発行数11万セットに対して20万253セットの購入希望がありました。今回は、全ての区民を対象とし、全戸配付の区報にチラシを挟み込むなど、期間は短いながら可能な限り周知を行ったため、広く区民に利用していただける申込みをいただいたと認識しております。今後は全ての申込者が購入できるよう調整し、順次申込者へ通知をする予定でございます。
次に、商品券の区分についてでございます。新型コロナウイルス感染症について、いつ感染拡大の波が起こるか分からない中、商品券の区分を厳密にすると券の利用機会が減り、結果として商店街の支援につながらないおそれもございました。商品券の区分につきましては、中野区商店街振興組合連合会と協議し、特にA券については利用者の利便性も考慮し食品を扱う店舗等も含めた区分としております。
次に、申込み期間及び有効期間についてでございます。申込み期間は申込者が年末商戦の時期に商品券を利用できるよう設定したものであります。また、商品券の有効期間は、商品券を短期間に利用することを促すことで消費を集中させ、現在逼迫した状況にある商店街に対しより早く事業の効果が現れるよう設定したものでございます。
最後に、新型コロナウイルス感染症の対策についてでございます。今回販売を行うに当たっては、申込みの際に購入を希望する場所を記入してもらいました。今後発送する通知において、特定の期間や場所に購入者が密集しないよう購入期間と購入場所を指定します。また、通知の発送時期も複数回に分けることで、購入者が密集するリスクを極力排除するよう対策を講じる予定でございます。
- 〔教育長入野貴美子登壇〕
- ○教育長(入野貴美子)
- 私からは、食中毒への対応についての御質問の食中毒に関する議会での答弁について、お答えいたします。食中毒等の食品衛生法違反者に対する名称の公表期間は、区要綱で7日間と規定してございます。議会における食中毒の報告については、営業停止処分を受けた者の名称が長く議事録に残ることから、改善措置を講じた被処分者に対する風評被害等の影響を考慮し、被処分者名を伏せて報告したところでございます。中野第一小学校の食中毒事故については、被処分者が区長であり、委託業者ではございません。委託業者は給食調理における調理技術を提供するものであり、被処分者ではないものの名称が議事録に残ることの影響を鑑み、委員会の休憩中に報告したものでございます。
- 〔代表監査委員髙橋信一登壇〕
- ○代表監査委員(髙橋信一)
- 私からは、監査のあり方について、お答えいたします。
定期財務監査の結果の公表に当たっては、区民から見てもより分かりやすいものになるよう表現等の工夫をしているところでございます。定期財務監査の指摘事項に対応した累計金額等を算出して公表することについては、十分に検討を重ねた結果、一概に指摘事項の金額の累計だけでは監査の結果を表せるものではないということから、直ちに累計金額等を算出して公表することは考えてございません。
議員から提案があった、より分かりやすい監査結果の公表につきましては、他区の公表状況も参考に、今後も研究や工夫をしていきたいと考えます。
- 〔企画部長高橋昭彦登壇〕
- ○企画部長(高橋昭彦)
- 平和基金についての御質問にお答えいたします。
初めに、平和基金の運用益についてでございます。基金を設置した平成2年度の平和基金運用益は約1,435万円であり、その後、金利の影響を受け、本年度予算については98万円となってございます。
続きまして、基金の廃止理由についてでございます。中野刑務所跡地防災公園建設基金については、長期にわたり公園の整備予定がなく、基金活用の見通しがないことから、義務教育施設整備基金に積み替えることとしたものでございます。施設建設費については、平成13年度において、当時、当面使途のない施設建設基金を廃止し、財政調整基金に積み立てたものでございます。災害対策基金については、特定の基金だけでなく、区の基金全体を活用した災害対策を図るよう見直しを行い、平成24年度の基金廃止後は義務教育施設整備基金に積み替えることとしたものでございます。少子化対策基金については、交付金の交付対象事業が平成13年度末までに支出することを目的として設置する基金とされていたことに合わせ、時限的な基金としていたものでございます。
もう一つ、今後の平和基金の在り方について、お答えいたします。今後の財政状況については、非常に厳しい状況でございますが、直ちに平和基金を廃止することは考えてございません。一方で、近年の基金運用の利回りは現在運用している公募公債のような高利の利回りではないため、こうした状況も加味しながら今後の平和基金の在り方については検討したい、そのように考えてございます。
最後に、その他の御質問のうち、拉致問題解決に向けた啓発について、お答えいたします。今年度につきましては、12月上旬からの人権週間及び北朝鮮人権侵害問題啓発週間において中野駅ガード下ギャラリー及び中野駅周辺の区内掲示板にポスターを掲示します。また、ホームページによる周知をするなど啓発を充実する予定でございます。
- 〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕
- ○都市基盤部長(奈良浩二)
- 私からは、親水施設の整備につきまして、お答えいたします。中野区内の河川は都市型河川であり、集中豪雨等はもちろん、中野区内で雨が降っていなくても上流部で雨が降ると水位が急激に上昇することがございます。したがって、親水施設を設置する場合には安全に河床まで下りられる階段や監視員の配置等、十分な安全管理体制を整える必要がございます。親水施設の整備につきましては、今後、河川改修が進められていく区間で実現可能か研究していきたいと考えてございます。
- ○議長(高橋かずちか)
- 以上で吉田 康一郎議員の質問は終わります。