10/23/2016 01:20:32 PM

中国の宇宙開発は、完全に軍事利用を最重要・最優先の目的としています。話し合いを呼び掛けてやめる相手ではありません。見ない振り知らない振りをすれば解決する訳でもありません。

《【宇宙強国 中国の野心(下)】宇宙に残された広大な“フロンティア”軍民で狙う 衛星技術、新戦略兵器に利用》
2016.10.23 産経新聞

 「軍民融合の発展戦略を貫徹しなければならない」

 21日に北京の人民大会堂で開かれた式典で、演説した習近平国家主席は軍事力強化の必要性を訴えた。

 中国の「軍民融合」を象徴する分野が宇宙開発だ。人民解放軍所属の男性飛行士2人を乗せた有人宇宙船「神舟11号」が17日に打ち上げられた。

 使われたのは国産ロケット「長征2号F」。長征とはかつて、中国共産党軍が国民党軍の攻撃から逃れ、国内を大行軍した出来事をさす。式典はそれから80年になるのを記念して開かれた。習氏は同じ演説で、長征を「新たな局面を切り開く偉大な大遠征だ」と位置づけた。この言葉に対する特別な思いがにじむ。

 目覚ましい進歩を遂げる宇宙開発が産声を上げたのは、ちょうど60年前だ。

 1956年10月、弾道ミサイルやロケット技術の自力開発を使命とする「中国国防省第五研究院」が発足した。当時、毛沢東が掲げた国防科学発展のスローガンは「両弾一星(原水爆と人工衛星)」。これらを運搬する弾道ミサイル「東風」とロケット「長征」の技術は表裏一体といえる。

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 2014年1月、中国上空を最高でマッハ10に達する高速で飛行する物体が米軍に探知された。米国のほぼ全土を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の技術を手にした中国が、次世代の戦略兵器として開発を進める「極超音速滑空飛翔体」だ。完成すれば、国際社会の戦略バランスを大きく変える可能性が指摘されている。

 弾道ミサイルで打ち上げられた後、近宇宙空間で切り離されて大気圏に再突入する点では現在のICBMと同じだが、極超音速滑空飛翔体は放物線を描いて落下するのではなく、超高速で自由に運動しながら滑空し、高い命中精度を有する。米国の現在のMD(ミサイル防衛)では撃墜が不可能とされる。

 技術的な難度は高く、開発を進める米国やロシアも実戦配備には至っていない。中国による14年1月の実験成功後、米議会の諮問機関である「米中経済安全保障調査委員会」は、中国が20年までの開発を目指していると警告した。

 米国が「WU14」のコードネームで呼ぶ中国の最新兵器の運用実現に向け、重要な要素となるのが衛星測位システムなどの宇宙技術だ。中国軍は現在、軍事作戦に米国のGPSと自国の測位衛星「北斗」、ロシアの衛星を組み合わせて使用しているが、他国衛星は有事に利用できない可能性があり、「北斗」の整備を急ピッチで進めている。12年にアジア太平洋地域での運用に着手し、20年前後には計35基を打ち上げて地球全域をカバーする計画だ。

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 「中国は、軍と民間の宇宙開発計画をはっきりと分けていない」。先の米中経済安全保障調査委は昨年11月、中国の宇宙開発が国際社会にもたらすリスクを強く訴えた。米国は有人火星宇宙船計画を提唱するベンチャー企業「スペースX」など民間の力を活用することに軸足を移している。軍民が密接に協力しながら、宇宙開発を進める中国に優位性を脅かされる危機感は根強い。

 もちろん、中国の宇宙開発の狙いは直接的な軍事利用だけでない。17年には無人探査機「嫦娥(じょうが)5号」で月面の土壌サンプルを持ち帰る計画で、18年には世界初の月面裏側への着陸にも挑む。20年以降も独自の宇宙ステーション完成や火星探査など、「宇宙強国」に向けたプロジェクトがめじろ押しだ。

 元駐中国防衛駐在官の小原凡司・東京財団政策プロデューサーは、「中国は宇宙を新しいフロンティア(開拓地)と認識している」と指摘し、こう続けた。「世界経済のフロンティアはこれ以上存在しないと指摘されるなか、未開拓地の宇宙空間で主導権を握る戦略だ」

(北京 西見由章 三塚聖平)

http://www.sankei.com/premium/news/161023/prm1610230029-n1.html

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