安倍総理とプーチン大統領が合意した北方領土での共同経済活動、私は北方領土返還の可能性を高める効果はないと考えます。その土地の価値を高めて手放す動機が増す訳がない。
我が国が為すべき努力とは、樺太及び千島の経済価値を高める如何なる協力も行為も行わず、オホーツク海の戦略原潜の聖域としての価値を喪失させる対潜能力を構築する事です。
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《北方領土のインフラ整備減速 10カ年計画、中央が財政難で支出延期》
2017.01.05 産経新聞
【モスクワ=遠藤良介】ロシアが実効支配する北方領土のインフラ整備が、今年は財政難により大きく減速する見通しとなった。2016~25年に700億ルーブル(約1355億円)を投じるとしているクリール諸島(北方領土と千島列島)の「社会・経済発展計画」について、露中央政府が17~19年分の支出を先送りする方針を示したからだ。ロシアは北方領土における日本との「共同経済活動」を急いでおり、深刻化する財政難がその背景にあるとみられる。
現行の「計画」はソ連崩壊後で3回目となる。16~25年に中央政府が279億ルーブル、北方四島を事実上管轄するサハリン(樺太)州が317億ルーブルを支出し、インフラ整備や産業育成を加速させる内容だ。人口を現在の約1万7000人から2万4300人に増やし、地元の税収を倍増させることなどがうたわれている。
しかし、地元メディアによると、中央政府は「計画」にかかわる19年までの支出を、基本的に20年以降に延期する方針をサハリン州に伝えた。当面は「事実上の州単独計画」(地元高官)として、着工済み事業の継続が中心となる。07~15年の前回計画では択捉島の新空港建設など大型事業が注目されたが、今回は出足からつまずいた形だ。
背景には、石油価格下落などによる経済の不振で税収が落ち込み、地方への金回りが悪くなっていることがある。緊縮予算にもかかわらず、国の財政赤字は17年に国内総生産(GDP)の3.2%に達する見通し。16年1~9月の中央から地方への補助金は前年同期比8%減だった。
プーチン露大統領と安倍晋三首相は昨年12月、北方領土での共同経済活動について協議を始めることで合意。領土問題をめぐる両国の立場を害さない「特別な制度」を設けることが前提だが、実施には困難な課題が多い。そうした中で、「ロシアの法制にのっとって行うこと」を主張するロシア側は共同経済活動に前のめり気味だ。昨年末には露外務省とサハリン州が協議を行い、日本に示す「具体的提案」をまとめたと発表していた。
写真:2016年12月15日、北方領土・色丹島の斜古丹に立ち並ぶロシア人住民の住宅(共同)
http://www.sankei.com/wor…/news/170105/wor1701050040-n1.html
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