《中国防空識別圏にオバマ政権が“お約束”の妥協 B52を飛ばした米軍の行動が元の木阿弥に》
オバマ政権と米軍の乖離を指摘する重要な論考です。自主防衛努力が必要です。
[一般的な防空識別圏は自国の排他的主権が及ばない空域に対して設定されているため、当然ながら実際の運用でもその防空識別圏に関しては排他的主権を発動できないのが原則となっている。]
[アメリカやオーストラリアそれにヨーロッパ諸国までが中国による防空識別圏設定に対して批判的立場に立っているのは、(中略)あたかも防空識別圏を領空のごとく中国の排他的主権が及ぶ空域であるかのように運用しようとしているからである。]
[筆者周辺の少なからぬアメリカ軍関係者は「アメリカ民間航空会社が中国にフライトプランを提出した時点で、米軍がB-52を飛ばして実施した米軍としての態度表明は全く水泡に帰した」と憤慨している。]
[「オバマ政権があと3年も続くのは、我々にとって(筆者を含めて話し合いに加わった対中封じ込め派にとって)最悪の事態だ」という。]
[アメリカ軍とオバマ政権の対中態度は乖離しており、いくらアメリカ軍が中国に対して断固とした立場、すなわち日米安保条約に基づいて日本を防衛する義務を履行しようとする立場を堅持しようとしても、肝心要のオバマ政権が中国政府に対して妥協的行動を取り続け、そして日本自身が中国の軍事的圧力を相当程度撥ね返すことができるだけの自主防衛能力を保持しない限り、最後に笑うのは中国である。たとえ日米同盟などが存在しても、日本としてはそのことを明確に認識しておかねばならない。]