《過激化する民族主義 ウクライナ衝突 制御不能なデモの中核》
デモ隊が火炎瓶や小銃を使用するというのは、大変深刻な事態です。親欧米派と親露派双方の譲歩と妥協によって融和的な終息を図る事がより困難になっていく事が心配です。
以下、記事抜粋。
—
ウクライナの首都キエフで反政権デモ隊と治安部隊の衝突が拡大した問題で21日、ヤヌコビッチ大統領と野党側が大統領選前倒しを柱とする合意文書に署名した。ただ、情勢正常化のカギを握るのは、最近のデモで中核を担い、政権と野党の双方にとって制御不能となっていた過激な民族主義勢力の動向だ。おおむね平和的だった昨年11月以来のデモはここにきて急速に暴力化し、政権側の報復的な強硬措置を招いた経緯がある。
デモ隊が占拠するキエフ中心部の独立広場。火炎瓶が飛び交って広場や周辺の建物が激しく燃え上がり、現地からの映像ではデモ隊側が小銃を発射していることも確認された。
支持基盤などの面では親欧米派と重なる過激民族主義勢力だが、親露派のヤヌコビッチ政権を「占領体制」とみなし、暴力も辞さずに政権打倒を目指している点は異なる。過激派は、西部のリビウなど各地でも行政庁舎の占拠や治安機関襲撃を行っている。
今後は、過激派が暴力を停止するかに加え、ヤヌコビッチ氏が大統領選の前倒し実施などの合意事項を履行するかが焦点だ。
だが、この国では親露派が一定の政治力を得ることは避けがたく、過激な民族主義勢力の存在は将来にわたり国の行方に影を落としそうだ。