《クリミア住民投票で95.5%がロシア編入支持、米欧は制裁準備》
投票率83%、ロシア編入支持95.5%。これは有り得ないと思います。
クリミアの民族構成は、2001年国勢調査で、ロシア人 118万400人 (58.3%)、ウクライナ人 49万2200人 (24.3%)、クリミア・タタール人 24万3400人 (12.0%) ですが、ウクライナ人やタタール人がロシア編入を望む事は考えられません。
今月10日、産経新聞が「自治共和国に登録されている有権者は2月28日現在、153万人余り。しかし、選管は7日、住民投票に向け220万枚以上の投票用紙を発行すると発表した。実数より約70万票も多く発行する計算で、住民の間からは、『違反に使われるのではないか』と指摘する声が聞かれる。」と報じましたが、不正選挙が行われた可能性が高いと考えます。
投票率60%でロシア編入支持100%か、投票率100%で支持60%であれば妥当な結果であり、公正な選挙が行われたと認められますが、なぜつまらない事をするのか、選挙自体を否定する理由を作ってしまうのに、と思います。
以下、記事。
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ロシア通信(RIA)によると、ウクライナ南部・クリミア半島で16日実施されたロシア編入の是非を問う住民投票は、開票率50%以上の段階で、95.5%がロシア編入を支持した。
ミハイル・マリシェフ選挙管理委員長の発言として報じた。委員長によると、投票率は83%。ロシア編入に反対する住民は投票をボイコットする方針を示していたが、高い投票率となった。
米ホワイトハウスのカーニー報道官は「住民投票はウクライナの憲法に反する。ロシアの軍事介入は国際法に違反するものであり、そうした暴力や脅しの下で行われた投票結果を国際社会は認めない」と表明。
西側諸国筋によると、米政府は17日にも対ロシア制裁を発表する見通し。欧州連合(EU)も同日の外相理事会で同様の措置を決定する可能性がある。
ロシア大統領府によると、プーチン大統領は16日、オバマ米大統領と電話で会談。ウクライナ情勢の安定化に向けて協力が必要との認識で一致した。
プーチン大統領は、オバマ米大統領に対し、住民投票は合法であるとし、ウクライナ政府が同国のロシア系住民に対する暴力を一掃できないことに懸念を表明した。
大統領府によると「プーチン大統領は、ウクライナ暫定政権が、状況を不安定化し市民を脅す超国家主義な急進的なグループの暴力を抑制することができず、抑制する気がないことに注目した」。プーチン大統領は、暴力行為がみられることを理由に、欧州監視団をウクライナ全土に派遣すべきと主張した。
ケリー米国務長官は16日、ウクライナ情勢をめぐりロシアのラブロフ外相と電話会談。住民投票の結果は受け入れられないとし、クリミア半島に展開しているロシア軍の基地への撤収を求めた。
ウクライナ政府は、ロシアがクリミア半島で部隊を増強していると非難。新たに創設した国民防衛軍が2万人を動員する計画を明らかにした。
ウクライナのテニュフ国防相代行は、ロシア軍がクリミア半島に2万2000人の部隊を展開していると指摘。協定で定められた1万2500人を大幅に上回っており、14日時点の1万8400人から増えていると批判した。