《「刈り上げよ」北が髪形統一令 指導者と同じに 男子大学生対象》
もう、変過ぎて笑えます。
以下、記事抜粋。
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北朝鮮当局が、国内の男子大学生に対し、最高指導者である金正恩(キムジョンウン)第1書記と同じ髪形にするよう発令したと、欧米メディアが28日までに一斉に伝えた。独裁国家の北朝鮮では髪形にも厳しい規定が存在し、かつて「長髪禁止令」が出されたこともある。ただ、金第1書記のトレードマークでもある側頭部を大胆に刈り上げた独特の髪形への「統一令」に対しては、国内でも不評の声が上がっているという。髪形の自由すら認められない北朝鮮。その“異質さ”が改めて浮き彫りなった。
■2週間前に口頭通達
髪形統一令は、ワシントンに拠点を置く「ラジオ・フリー・アジア」が最初に伝え、英BBCや英紙デーリー・テレグラフ、AP通信など欧米主要メディアが驚きを持って次々に報じている。
匿名の情報筋がラジオ・フリー・アジアに明かしたところによると、約2週間前に朝鮮労働党から首都の平壌で口頭による通達が出されたという。その後対象範囲が国全体に拡大されたとしている。
北朝鮮では国民の髪形に関し、男性が10種類、女性も18種類に制限されているという。特に男性の長髪は厳禁。2005年には「非衛生的かつ反社会主義的なうえ、脳神経への酸素供給を妨害し、脳の活動を阻害する」と長髪を敵視し、「社会主義的な生活スタイルに合わせて散髪をしましょう」とのスローガンを掲げた愛国キャンペーンが展開された。
高齢者を除き、髪の長さは「5センチ以内」と規定。違反者は国営テレビで氏名などを公表し、さらし者にする処分が科されたという。
■「似合うとは限らない」
ただ、「元気カット」や「野望カット」と呼ばれ、嘲笑の対象になっている金第1書記の髪形への統一令にはさすがに不満も出ているようだ。「われわれの指導者の髪形はかなり特殊だ。顔や頭の形はみんな違うから、あの髪形がすべての人に似合うとは限らない」。BBCは、匿名の国民がラジオ・フリー・アジアに語ったこんな声を紹介した。また、韓国紙コリア・タイムズは、「2000年代中盤まで、あれは中国密輸者の髪型と呼ばれていたんだ。北朝鮮でも人気がない」という中国に住む脱北者は本音を伝えた。
一方、AP通信の平壌支局記者は「大学生の髪形に変化はない」と、現地からリポート。「数日前、北朝鮮に行ったが兆候はなかった」とする北朝鮮専門旅行会社のガイドの声も紹介した。
北朝鮮の指導者の髪形をめぐっては、金第1書記の父、金正日(ジョンイル)総書記(1941~2011年)は身長へのコンプレックスから、背を高く見せるため、ふんわりとした髪形にしていたとされる。一方、祖父の金日成(イルソン)主席(1912~94年)は、金第1書記とよく似た髪形だ。
今回の髪形統一令の狙いは定かではないが、国の将来を担う大学生に指導者への尊敬の念を抱かせようとしているとみられる。祖父と同じ髪形を広めることで、「自身の最高権力者としての地位を固めようとしているのでは」との見方も。
いずれにしても、国民の髪形を統一しようとするその異質さは際立っている。国連は北朝鮮による「ノドン」ミサイルの発射や外国人拉致を含む人権侵害を激しく非難しているが、北朝鮮に国際社会の常識が通じるとはとても思えない。