今年2月、民主党政権の売国政策が、韓国ソウル中央地裁からも認定されました。
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《対日賠償詐欺で被告を増長させた民主党の甘さ、ソウル中央地裁も認定》
慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野談話の根拠となった、韓国での元慰安婦16人への聞き取り調査が、日本政府を相手取って慰安婦賠償訴訟を起こした太平洋戦争犠牲者遺族会の事務所で実施されていたことは何度か指摘した。
この遺族会の元会長、梁順任(ヤンスニム)氏は、3年8月に「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口開く」という事実関係がすり替わった記事を書き、慰安婦問題の火付け役となった朝日新聞記者の義母に当たる。これももう、周知の話だといえよう。
この梁氏らが23年5月、日本政府などから補償金を受け取ってやるといって弁護士費用などの名目で約3万人の被害者から会費15億ウォン(約1億2千万円)をだまし取った詐欺容疑でソウルの警察当局に摘発されたと報じられたので、その後に注目していた。
そして、今年2月になって梁氏の関係者は7年6カ月の実刑判決を受けたものの、梁氏自身は証拠不十分で無罪となったと知った。今回、そのソウル中央地裁の判決文を読む機会があったので紹介したい。そこには地裁が示した、とても興味深い認識が記されていた。
判決文は、梁氏が旧知の弁護士から「日本民主党が政権を取った2010年度が日帝時代の被害賠償に最も適切な時期だ」との説明を受けた点を重視する。
その上で、(1)同年1月ごろ、日本の鳩山由紀夫首相が米国のマイク・ホンダ下院議員と会った際、強制徴用被害者らに対する段階的な個人補償の意思を伝えた(2)同年7月7日、(菅直人内閣の)仙谷由人官房長官が朝鮮戦争以降の補償が不十分だったとして個人補償の可能性を示唆した-と具体的な個人名を挙げ、こう書いている。
「この展開、将来的計画という側面において遺族会の(原告募集の)広報活動は欺瞞(ぎまん)手段にすぎないとは断定できない」
つまり、政府の中枢にいた鳩山氏や仙谷氏による韓国側に譲歩をにおわせる言動があったのだから、日本からカネを取れると遺族会が考えたのは無理もない、という趣旨である。
ホンダ氏といえば、07年7月に米下院で採択された慰安婦問題での対日非難決議の提出者である。鳩山氏は当時も今も、自分が何を口走っているのか理解していないとしか思えない。
一方、仙谷氏の示唆とは日本外国特派員協会での講演と記者会見で、韓国への戦後補償は不十分だとして言い放った次の言葉だ。
「(日韓基本条約は)法律的に正当性があると言って、それだけでいいのか」
現職の官房長官が、政府見解を大きく逸脱することを得々と語っていた。彼らの無責任な発言が韓国側にあらぬ期待を抱かせ、結果的に詐欺事件の誘発・拡大につながった-という流れを地裁は認定したのだ。
振り返れば、野田佳彦内閣が実行した返還する義務のない朝鮮半島由来の図書「朝鮮王室儀軌」引き渡しも逆効果だった。韓国側から感謝は表明されず、それどころか韓国内での対日文化財返還要求の動きを勢いづかせただけだった。
「謙譲の美徳をもってすれば相手の尊大さに勝てると信じる者は、誤りを犯すはめにおちいる」
これはマキャベリの言葉だが、韓国を思えば実感できる。安倍政権には、民主党を反面教師としてもらいたい。