協議後、露外相が「武装勢力の武装を解除することでも一致した」と述べた事は重要です。露GRU将校の拘束で武装勢力への関与が明らかになり、「蜂起した住民を保護する」という正当性を失ったロシアが軍事介入をほぼ断念し、ウクライナの連邦化による分離を図っていくものと考えます。
—
《ウクライナ行程表採択…暴力自制で一致》
ウクライナ情勢の緊張緩和に向けた米国、ロシア、ウクライナ暫定政府、欧州連合(EU)による初の外相級4者協議が17日、ジュネーブで行われ、緊張緩和と暴力自制を図ることで一致した。ウクライナ暫定政府とロシアが同席して本格協議に臨むのは初めて。一方、ウクライナ東部ドネツク州では17日も3人の死者が出た。
協議には、ケリー米国務長官、ロシアのラブロフ外相のほか、暫定政府のデシツァ外相、EUのアシュトン外交安保上級代表(EU外相)が出席した。協議は17日午前(日本時間17日夕)に始まり、昼食をはさんで3時間ほどで終了する予定だったが、同日夕(日本時間18日未明)にずれ込み、6時間以上かかった。
終了後、ラブロフ氏は記者会見を開き、4者で緊張緩和に向けた共通の行程表を盛り込んだ合意文書をまとめたことを明らかにした。ラブロフ氏は「ウクライナ国内にいる武装勢力の武装を解除することでも一致した」と語った。また、「ウクライナの危機はウクライナ国民自身で解決しなければならない」と語り、暫定政府と親露派による対話の即時開始を求めた。4者が今後も何らかの形で協議を継続することでも合意した。
カーニー米大統領報道官は16日、〈1〉ウクライナ東部との国境周辺に集結するロシア軍の撤収〈2〉親露派武装勢力の武装解除〈3〉ウクライナの地方自治拡大や憲法改正――が主要議題になると指摘した。
一方、ラブロフ氏は、15日の記者会見で、〈1〉ウクライナ東・南部に強力な自治権を与える連邦制導入に向けた憲法改正〈2〉ウクライナの極右組織の武装解除〈3〉5月25日のウクライナ大統領選の正当性――を話し合う方針を示していた。
米欧や暫定政府が「ロシアが東部での武装勢力の占拠を支援している」と指摘しているのに対し、ロシアは関与を否定し、溝は埋まっていない。米欧は今後も、ロシアが緊張緩和措置を実行しない場合は、資産凍結や渡航禁止の対象となるロシア高官らを追加指定するなどの制裁強化に踏み切る方針だ。
(関連)
《武力行使権限、使わずに問題解決望む…露大統領》
http://www.yomiuri.co.jp/world/20140417-OYT1T50128.html