世界の暗号史上、特筆すべき事項の一つでしょう。暗号戦に於いて日本側を完敗させた米軍のナバホ語による暗号。これを実施した米国の懐深く大胆な合理性と実行力に驚嘆すると共に、虐げられたインディアンの白人国家への協力によるものであった事に嘆息します。
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《日本軍も解読できなかった暗号開発、ナバホ「最後のコードトーカー」死去》
第2次世界大戦中に日本をはじめとする「枢軸国」が1度として読み解けなかった暗号の作成に協力したアメリカ先住民ナバホの最初の29人のうち、唯一生存していたチェスター・ネズさんが4日、死去した。93歳。眠ったまま息を引き取ったという。
米国内のナバホ居住地区では今月8日まで半旗が掲揚される。ナバホ・ネーション大統領のベン・シェリー氏は、声明で「第2次大戦中に最初のコードトーカー(暗号話者)となった29人のナバホが志願した時、われわれの言葉が持つ力は世界に共有された」と表明した。(写真は米アリゾナ州のナバホ居住地区にある「ラウンドロック」)
ナバホ語は文字のない複雑な音声言語。米海兵隊は1942年5月、戦場での連絡に使う暗号をナバホ語に基づいて作成するため、ネズさんら29人を採用した。
ネズさんはガダルカナル、グアム、ペレリュー、ブーゲンビルなど南太平洋の戦場に従軍。昨年、当時を振り返って「日本軍が全力で挑んでも暗号の解読はできなかった。それをとても誇りに思う」と語っていた。
第2次世界大戦には計400人のナバホがコードトーカーとして従軍した。その他にもチョクトー、コマンチ、セミノールなどの先住民が日本やドイツとの戦争に参加し、自分たちの言葉を駆使して暗号通信に携わった。
米軍が使った用語には先住民たちの言語には存在しない単語もあり、たとえば「飛行機」は「鳥」、「爆撃機」は「妊娠した鳥」などと言い換えていた。また、ナバホの暗号では、猫を意味するナバホ語「moasi」を英単語のcatの頭文字「c」と置き換えるなど、対応する英単語の頭文字でアルファベットを表していた。
これらの暗号は1980年代まで米軍の機密情報として扱われていた。
http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_all&k=20140605031350a