2014/07/18 6:47

「新素材は1気圧程度で水素を蓄え、1回の充填でガソリン車並みの400キロメートルを走る燃料電池車の開発につながる」。燃料電池車の経済性が飛躍的に高まる事を期待します。

《京大、金属微粒子に水素貯蔵2倍の技術開発》

 京都大学 北川宏教授らは金属微粒子の中に従来の2倍の水素を蓄える技術を開発した。燃料電池自動車のタンクに使えば、爆発事故などのリスクがある高圧容器を使わずに済む。企業と協力して実用化する。

 貴金属のパラジウムの微粒子の表面に、有機物と金属からなる多孔性金属錯体(MOF)と呼ぶ材料を付けた。気体の水素に触れると、単体の微粒子に比べて2倍の水素を取り込んだ。MOFが水素を濃縮し、微粒子表面での反応を促したと考えている。

 パラジウムは重くて価格が高い。今後はニッケルなど軽くて安い金属にMOFを付けて性能を確かめる。

 燃料電池車は水素を数百気圧で高圧容器に蓄える手法が一般的。新素材は1気圧程度で水素を蓄え、1回の充填でガソリン車並みの400キロメートルを走る燃料電池車の開発につながる。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG11005_U4A710C1TJM000/