技術をパクり、盗み、製品を模倣し、裁判を長引かせている間に市場を押さえ、権利を侵害した相手企業を淘汰する。サムスンだけではありません。本当に呆れ恐ろしいのは、未だに多くの我が国企業人が、この様な中韓企業との連携協力を求め進めている事です。
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《日本企業の轍は踏まず…サムスンを訴え続けるAppleの覚悟》
なぜAppleはサムスンと特許訴訟で和解しないのか。日本の電機メーカーの失敗を教訓にしているかのような動きだ。
膨大な時間、費用、人員を費やして特許訴訟を続けるAppleとサムスン。出口の見えない戦いから一歩も引かないAppleには、「日本企業の轍は踏まない」という覚悟があるのかもしれない。
■ サムスン依存から脱却しようとするApple
Appleは毎年秋にモバイル分野の新製品である新型iPhoneやiPadを発売することで知られている。今年も秋には次期iPhoneなどが発表されるのであろうが、そうした次世代製品に搭載されると見られている新型プロセッサー「Aシリーズ」の出荷が、台湾セミコンダクター(TSMC、世界最大手の半導体委託製造メーカー)で始まったようだ。『Wall Street Journal』(WSJ)が7月10日に伝えた。
AppleがTSMCに発注したという話は2013年に流れており、このニュース自体には驚くような内容は含まれていない。しかし、このニュースを裏返せば、Appleは自社製品で使う部品を、これまで頼り切りだったサムスンから他の企業から買うようになってきた、と見ることができる。「サムスン依存からの脱却」「アウトソーシング先の分散」がより一層進んだという点で、WSJはニュースバリューがあると判断したのかもしれない。
さて、このニュースを読んで、米高級紙『Vanity Fair』6月号に載っていた「スマートフォン大戦争」という記事を思い出した。Appleとサムスンのスマートフォン分野での戦いを描いた記事で、両社の歴史、特許侵害をめぐる訴訟合戦、iPhoneやGalaxy Sの開発と発表をめぐるエピソードなどが、かなり詳しく記されている。それぞれの話題やエピソードは既報のものが多いのだが、特に注目したい点は、書き手のKurt Eichenwaldが、Appleやモバイル端末とは関係のないところまで範囲を拡げてエピソードを拾っているところ。具体的には、シャープやパイオニアのような日本企業とサムスンとの間であった紛争を例に、サムスンのやり方には一定のパターンがあることを浮かび上がらせている点である。
■ サムスンのやり口
シャープとサムスンが争ったのはLCDディスプレイの分野で、シャープが特許侵害でサムスンを訴えたのが2007年のこと。2009年には欧州の法廷でサンスンによる特許侵害を認める判決が下され、当該特許が使われたサムスン製品のEU域内への輸入が禁止になった。これと前後して米国の国際貿易委員会でも輸入禁止の判断が下されたことで、サムスンはようやくシャープと和解している。ただし、その約2年の間にサムスンは薄型テレビ市場でシェアを大きく伸ばし、2009年末には世界シェアが23.6%にまで達していた。一方のシャープはシェア5.4%どまり。試合に勝って勝負に負けたシャープは、その後、会社存亡の危機を迎えるほどの事態に陥った。
同じような例は、プラズマテレビの分野でも生じた。その時の被害者はパイオニアである。同社が米国でサムスンを特許侵害で訴えたのが2006年、2008年にはサムスンに損害賠償支払いを命じる判決が下された。2009年には両社の間で和解が成立したが、時すでに遅し。2010年、パイオニアはテレビ市場から撤退した。
これらの事例から読み取れるサムスンのパターンはこうだ。他社の特許を勝手に使い、それを相手から咎められると、「そっちこそ!」と別の特許を引っぱり出して相手を訴え返し、裁判が長引いている間に市場シェアを抑え、輸入および販売の禁止が現実的になりそうなところで和解に持ち込む。
『Vanity Fair』では、スマートフォンやタブレットでのAppleとの争いは、その焼き直しである、と断定している。
■ トップ交代が進むサムスン
Appleとサムスンが争っている訴訟の中でも、最も大きなカリフォルニアでの裁判では、担当判事が辟易して何度か「当事者同士で話をつけるように」とする指示さえ出している。それに従う形でAppleのティム・クックCEOらがサムスン幹部と会った、という話も伝えられたが、今のところ和解が成立する気配はないとされている。前述のような話を目にすると、それも致し方ないか、といった印象だ。
サムスンはといえば、2013年春にニューヨークの有名な劇場を貸し切って、「Galax S4」の派手な発表イベントを開催していた頃が勢いのピーク。特にここ数四半期の決算は精彩を欠いている。スマートフォン市場では、ハイエンドを抑えるAppleという「前門の虎」、ローエンドから追い上げるレノボやシャオミなどの中国メーカーという「後門の狼」に挟まれた格好で、この苦戦を打開するメドも立っていない。この5月にはサムスン・グループ総帥の李健煕会長が倒れて一時危篤も伝えられた。
「トップが意識不明に」というニュースが流れた時、サムスンの株価は4%も上昇した。逆に「意識が回復した」というニュースで株価が約1%下落。さすがに気の毒な感じだが、変革を求める期待感が高まっている、ということであろう。
李健煕の長男でサムスン・グループ副会長を務める後継者、李在鎔は、サンバレーのカンファレンスでティム・クックと話をする機会があったのだろうか。
http://sankei.jp.msn.com/gqjapan/news/140722/gqj14072206300001-n1.htm