アキノ比大統領、日本の憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認を改めて歓迎。中国を念頭に、比軍と自衛隊の合同演習等、防衛協力の深化に期待。領有権問題で国際社会が中国の強硬姿勢に沈黙すれば更に増長させる、と。
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《領有権問題で沈黙は「中国をさらに増長させてしまう」 アキノ比大統領》
2014.11.04 産経新聞
【マニラ=犬塚陽介】フィリピンのアキノ大統領は4日、マラカニアン宮殿(大統領府)で日本記者クラブ取材団と会見し、集団的自衛権行使を容認するための日本の憲法解釈変更を改めて歓迎、南シナ海や東シナ海での中国の台頭を念頭にフィリピン軍と自衛隊の「合同演習ができればよい」と述べ、防衛協力の段階的深化に期待を示した。
また、領有権問題で国際社会が中国の強硬姿勢を前に沈黙すれば、この問題に「関心がないような印象を与え、(中国を)さらに増長させてしまう」と警鐘を鳴らし、国際規範を守るよう圧力をかけ続ける必要を訴えた。
アキノ大統領は会見で、実際の行動がなければ解釈変更も「ただの紙切れと化してしまう」と強調し、国連平和維持活動(PKO)で、自衛隊員がフィリピン軍など、他国要員を守る行動の実現に期待を示した。
また、現状では南シナ海で日本が集団的自衛権を行使する状況に陥る可能性は低いとの認識を示したが、将来的には、南シナ海問題と日本の集団的自衛権行使が「関連することもあるかもしれない」と述べた。
一方、中国は南シナ海での滑走路の整備など、現状変更を進めていると批判、自説を押しつけるのではなく、「国際法を尊重し、道理にかなった対応をすべきだ」と注文をつけた。
フィリピン政府としては仲裁裁判所での領有権問題の解決や南シナ海での「行動規範」の策定を模索する方針も改めて強調した。
http://www.sankei.com/world/news/141104/wor1411040037-n1.html