《トヨタ、「ミライ」特許を競合他社に無償提供》 2015.01.06 読売新聞 【ラスベガス=坂本幸信】トヨタ自動車は5日、水素で走る燃料電池車(FCV※)の普及を促すため、世界で保有するFCV関連の特許約5680件を全て無償提供すると発表した。 1社だけの努力では普及は難しいとして異例の特許開放に踏み切る。一部を除き、2020年までの期限付きとして、それまでに世界で1万台の普及を目指す。 トヨタは14年12月、FCV「MIRAI(ミライ)」を世界に先駆けて日本で一般発売した。FCVの普及には水素ステーションなどの整備も必要で、ライバルの他の自動車メーカーに参入を促すと同時に、エネルギー会社に協力してもらうことが不可欠と判断した。 トヨタが特許を無償提供するのは初めてという。エコカー開発で有償で特許を提供したことはあるが、こうした方針を転換する。 ミライは、15年10月から米国での発売も予定しており、17年までに3000台の売り上げを見込む。米ラスベガスで6日開幕する「国際家電ショー」を前に、北米トヨタのボブ・カーター上級副社長は5日、「普及のために競合他社にも(FCVを)作ってもらうことを優先すべきだと考えた」と記者団に述べた。 写真:米ラスベガスでの家電ショーで展示されているトヨタの燃料電池車ミライ=坂本幸信撮影 |