《選挙制度調査会:衆院選後初会合…1票の格差2倍未満検討》
2015.02.09 毎日新聞
衆院選挙制度に関する調査会(町村信孝衆院議長の諮問機関)が9日、昨年12月の衆院選後初の会合を開いた。終了後に記者会見した座長の佐々木毅元東大学長は、小選挙区定数の都道府県への新たな配分方式について、現行制度と比べてより人口比を反映する「アダムズ方式」と呼ばれる方式の採用を軸に検討していることを明らかにした。
同方式が採用された場合、現在の295小選挙区を前提とした調査会の試算では、青森、岩手、宮城、三重、滋賀、奈良、熊本、鹿児島、沖縄の9県で1議席ずつ減。一方、東京が3議席、神奈川が2議席、埼玉、千葉、愛知、静岡がそれぞれ1議席ずつ増え、1票の格差は2倍未満になる見通しという。
現行の配分方式は、各都道府県へ1議席を配分する「1人別枠方式」を取ったうえで、残りの議席を人口比例で割り振っているが、撤廃することが決まっている。調査会では新たな配分方式として、これまで外国で採用されたことのある方式など計9案を検討。アダムズ方式だと、定数が1議席となる都道府県がなく、増減する選挙区数が他の方式よりも少なくなるため、委員の間では同方式を推す意見が多かったという。
今後、調査会は具体的な配分方式の選定は先送りし、先に選挙制度や定数削減などについて議論する。その後、3月下旬ごろから各党からの意見聴取を始める予定。佐々木氏は答申の時期について「年内には方向性を出したい」と述べた。【阿部亮介】
http://mainichi.jp/select/news/20150210k0000m010081000c.html