世界の海に流出するプラスチックごみの28%を占める中国。2位はインドネシアの10%。日本は0.4%。生態系に悪影響を与え、海流が妨げられ気候変動に影響も。抑制なき軍事活動と経済活動で世界に悪影響を与え続ける中国の行為をやめさせなければなりません。 — 《海汚す中国 プラ廃棄、世界断トツの28%》 2015.02.14 産経新聞 ■ 「気候も変える」米研究チーム警告 世界の国々から海洋に流出するプラスチックごみは1年間で480万~1270万トンにも上るとの推計結果を、米ジョージア大などの研究チームがまとめ、13日付の米科学誌サイエンスに発表した。国別で最も多いのは中国で、世界全体の約28%を占めた。海に流出したプラスチックごみは生物分解されずに海を漂い続けるため、大量流出を放置すれば、海の生態系に悪影響を与えるだけでなく、海流が妨げられて気候変動にもつながると研究チームは警告している。(SANKEI EXPRESS) ■ 世界の28%占める 研究チームは、海に面する192の国や地域を対象に分析。2010年のデータを元に海沿い50キロ以内の人口密度、1人当たりの廃棄物の排出量、廃棄物に含まれるプラスチックの割合、不適切に廃棄処理される割合などを分析し、年間の海洋流出量を試算した。海洋に浮かぶプラスチックごみの量ではなく、海岸線から流出した量を調査した研究は初めてという。 その結果、これらの国・地域では10年の1年間に約2億7500万トンのプラスチックごみが廃棄され、このうち480万~1270万トンのボトル、袋、ストローなどのごみが海に捨てられたと推計した。最も多かった中国は年間132万~353万トン、2位はインドネシアで48万~129万トン(世界合計の約10%)、3位はフィリピンで28万~75万トン(約6%)、4位はベトナムで28万~73万トン(約6%)、5位はスリランカで24万~64万トン(約5%)だった。 上位10カ国中、8カ国がアジアの国で、人口が多く、リサイクルや焼却、埋め立てなどの廃棄処理が適切に行われていない国が多かった。また、上位20カ国の大半は発展途上国だが、先進国では唯一、米国が20位(約0.9%)に入った。日本は30位(約0.4%)だった。 ■ 抑制へ対策急務 米メディアによると、研究チームを率いたジョージア大学のジェナ・ジャムベック博士(環境エンジニア、准教授)は12日、サイエンス誌での掲載に合わせて米サンノゼで開会中の米国科学振興協会(AAAS)年次総会で行った研究発表で「このまま何も対策をとらなければ人口が増えるにしたがって状況が悪化し、流出プラスチックごみの量は25年には現在の2倍以上の年間1050万~2800万トンに増えるだろう」と警鐘を鳴らした。この量は「沿岸1フィート(約30.5センチメートル)当たりでプラスチックが詰まったスーパーの買い物袋10個分」に相当するという。 一方で、不適切な廃棄処理を5割減らせば、25年までに流出量を4割減らすことができるとし、ごみの量を減らす取り組みとともに、適切にごみを処理する仕組みを整備するなど、早急に対策をとる必要があると訴えた。 ■ 妨げられる海流 海を漂って細かくなったプラスチックごみの破片は、海の生態系に悪影響を与え、海洋生物がのみ込むなどして体内に蓄積されることがある。研究チームは「食物連鎖で魚を食べた人間の健康に影響が出る可能性もある」としており、ジャムベック氏は「今後は流出者の責任を明確化し、拡大させていくべきだ」と提言した。 また、研究チームは、海洋に漂うプラスチックごみの影響で、北極から南太平洋に至る海流が妨げられているとも警告した。 プラスチックは年々消費が拡大し、全世界での生産量も過去40年間で6倍以上になり12年には2億8800万トンに達した。温室効果ガスの排出量削減とともに、プラスチックごみの抑制も人類が早急に取り組まなければならない問題だ。 写真:プラスチックごみを含む大量のごみが海流に乗って押し寄せたフィリピン・マニラ湾の海岸で、清掃作業を行うボランティアたち。プラスチックごみの管理方法整備は、世界的な喫緊の課題だ(ロイター) http://www.sankei.com/world/news/150214/wor1502140013-n1.html |