《炭素繊維を中国に不正輸出容疑、会社会長ら逮捕》
2015.05.26 読売新聞
ミサイルなどの兵器製造に転用可能な炭素繊維を中国に不正輸出したとして、兵庫県警外事課は26日、同県芦屋市の貿易会社「ポリケミカルズリミテッド」会長・近藤正二容疑者(75)ら3人を外為法違反(無許可輸出)容疑で逮捕した。
兵器転用の恐れがある機器や技術は、国際的な取り決めで貿易が制限されている。一定以上の強度がある炭素繊維は経済産業相の許可が必要な「リスト規制」の対象となっており、炭素繊維の不正輸出を巡る逮捕は初めてという。
県警によると、近藤容疑者ら3人は、強度が高い国内メーカー製の炭素繊維数千キロを韓国・光州市の企業に販売すると偽って申請し、許可を不正に取得。2010年1月、大阪・南港から韓国・釜山経由で、中国に輸出した疑い。
炭素繊維は中国・人民解放軍の関連先に渡った可能性があるといい、県警は、軍需物資の製造に転用された疑いもあるとみて調べる。