築地市場移転延期、やむを得ないでしょう。
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《【主張】築地移転 「待った」は妥当な判断だ》
2016.09.01 産経新聞
11月に迫っていた築地市場(東京都中央区)の豊洲市場(江東区)への移転について、小池百合子都知事が当面、延期すると表明した。
豊洲市場には土壌汚染などの環境問題が指摘され、調査結果を待たずに開場するのはおかしい、などの理由からだ。
食品を扱う大規模な市場である以上、安全性を放置できないという判断は妥当である。
新市場の設備費用の膨張、使い勝手をめぐる情報公開の不足など、移転をめぐる不透明な点も多く指摘されてきた。
移転の是非に関する有識者のプロジェクトチームも置くという。年明けまでの期間に、まずは可能な限り「都民の持つ疑問」に答える材料を得て、その結果を公表してもらいたい。
築地市場の移転は、施設が老朽化し、手狭になったことから、都が平成13年に決めた話である。
その後、移転先の土壌や地下水が、ベンゼンなど有害物質で汚染されていることが発覚し、遅れの大きな要因になったが、調査が今に及んでいること自体、異様ではないか。
施設の耐震性に関する構造計算書と実際の構造が異なっていたことも分かっている。公共施設の耐震性がはなから疑われるようでは行政そのものの信頼を損なう。
豊洲の建物はすでに完成しており、移転を延期しても維持管理のため1日約700万円かかるとされる。移転準備を進めていた業者への補償も出てこよう。
一方、築地の「跡地」については2020(平成32)年東京五輪・パラリンピックに向け、臨海部と都心部を結ぶ環状2号線の整備が計画されている。
都の財政を預かり、五輪の成功にも責任を負う立場から、こうした状況に対しても小池氏は難しい判断を迫られよう。
開場時期について、小池氏は地下水のモニタリング調査の結果が出る来年1月以降に判断する考えのようだ。
安全性、構造上の要件をクリアすべきなのはもちろんだが、新市場の運用に向けて新たに重大な支障などがみつからないか。開場ありきでなく、今は問題の洗い直しを優先すべきだろう。
大詰めでの延期に伴う混乱の拡大を避けつつ、首都圏の台所の機能をどう維持していくか。さっそく強い指導力が求められる。
http://www.sankei.com/politics/news/160901/plt1609010004-n1.html
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《小池知事 築地市場移転延期を正式表明》
2013.08.31 NHK
東京都の小池知事は、ことし11月7日に予定されていた築地市場の移転について、当面、延期することを正式に表明しました。延期の期間については、来年1月以降、移転先の豊洲市場で行っている水質調査などの結果が出た段階で判断することにしています。
東京・中央区の築地市場は、ことし11月7日に江東区の豊洲市場に移転する予定でしたが、東京都の小池知事は31日午後、記者会見を開き、当面、移転を延期することを表明しました。
延期の理由について、小池知事は、豊洲市場の敷地内を通る地下水の水質調査の結果が11月7日の移転予定日に間に合わないことを挙げ、「市場は生鮮食料品を扱う。食の安全は生活者の目線を大切にすべきだ」と述べ、安全性の確認を行う必要があるためだとしています。
また、豊洲市場の整備費が去年3月の段階で5800億円余りと、当初の見込みより大幅に膨らんだことについて、「これだけの費用がかかったことに私は驚いている。きちんと精査し、都民に説明する必要がある」と述べ、検証する考えを示しました。
さらに、小池知事は、仲卸業者などから新しい店舗の間隔が狭いといった声が出ていることなどに触れ、「多額の費用をかけながらいまだに不満が出てくるのはなぜなのか。情報公開が足りないということだ」と述べ、現状では情報公開が不十分だという認識を示しました。
そのうえで、小池知事は、延期の期間について、来年1月上旬に出される豊洲市場の水質調査の結果や、市場の安全性や使い勝手などを検証するために立ち上げるプロジェクトチームの調査結果が出た段階で移転時期を判断することを明らかにしました。
築地市場の跡地には、東京オリンピック・パラリンピックの際のアクセス道路が整備される予定で、移転の延期によって完成が間に合わなくなるという指摘も出ていることから、小池知事は新たな移転時期などについて、調査の進展を見極めながら速やかに結論を出したいとしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160831/k10010662321000.html
https://www.facebook.com/koichiro.yoshida.jp/posts/635112526656287