我が国は、周囲を同じ文化圏の友好的な民主主義国に囲まれEUを構成しているフランスとは条件が異なります。米国が、生まれながらの米国人でないと大統領になる資格がないと定めているのと同じく、我が国は、生まれながらの日本人でないと首相になる資格がない様に法律で定めるべきです。
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《台湾から帰化した蓮舫が首相になれる条件》
2016.08.11 アゴラ 八幡 和郎
民進党の代表選挙は蓮舫氏の独走状態のようだ。しかし、閉鎖的といわれる日本人が野党第一党の党首に台湾から帰化した女性を選び、有力な首相候補とするとはずいぶんと大胆なことだと思う。
しかし、その一方で、保守派からは、少しでも親韓的な発言をすると、たちまち在日疑惑の対象となる。この落差はあまりにも大きい。
また、帰化していない外国人に地方選挙の参政権を与えようという意見もあるが、反対が強く、先般の東京都知事選挙では、鳥越俊太郎氏が10年たったら(北朝鮮国籍であってもなんでも)無条件に与えろと主張し、増田寛也氏はかつて岩手県知事時代に賛成していた経緯があるので、都道府県ごとに住民が賛成多数なら与えれば良いといったが、全面反対の小池百合子氏に圧倒的な支持が集まる原因の一つになった。
蓮舫氏の国籍については、本人から詳細な説明があったことはないと思われる。しかし、それなりに信頼性が高く本人も否定していない情報をもとにすると、こういうことらしい。蓮舫氏は、台湾人(中華民国籍)の貿易商である謝哲信氏と日本人の母・斉藤桂子の間に1967年に東京で生まれた。
その当時は父系主義だったので中華民国籍で、名前も謝蓮舫だったようだ。しかし、1985年の国籍法の改定で、日本人が母であることから日本国籍を自動的に与えられ、22歳までにどちらかを選択することになった。
そして、いつの時点かはっきりしないが、蓮舫氏は日本国籍を選択し、斉藤蓮舫になったということだろうか。このときに、中華民国籍を放棄する必要があるが、その旨を日本の役所に宣言すればよいので、その証拠を示す必要はなさそうで、二重国籍を維持していても日本の役所は把握できないはずだ(もちろん虚偽の申請をしたら法律違反だ。また、日本の国籍法は二重国籍を禁じているが法律に違反して二重国籍の人はかなりいる)。
なお、このときに、「父親から、日本国籍を取って日本人として生きろと言われた時が、人生で一番屈辱的な事だった」といったという噂が流れ、それを先般も自民党議員が引用したが、それは事実ではないようだ。
その後、蓮舫氏はフリージャーナリストの村田信之と結婚して、村田蓮舫が現在の本名のようだ。
しかし、国籍の経緯について、国会議員や国務大臣を経験しても,明確に説明することを求められないのは、日本もまことに不思議な国だ。また、日本国家に対する忠誠を誓ったり、尖閣問題のような両国間の問題について見解を厳しく問われないのも信じられない。
さらに、北京への長期留学経験もあるのだから、中国政府との関係や両国間の問題についても同様だ。
フランスの首相はスペインからの帰化人だが苦労している
私は帰化した外国人やその子孫、あるいは外国人の配偶者や縁者をもつ日本人が政治家になることにはまったく否定的でないし、移民にもいろいろ条件はつけるべきだと思うが、寛容な意見の持ち主だ。
しかし、フランスで留学と勤務で5年間を過ごし、また、世界各国の制度を研究してきた立場からすると、外国系の出自を隠すと言うこと自体が一般人についても信じられないし、まして、政治家が出自が故に忠誠を問われることがないといった状況も世界のなかで非常識きわまると思う。
200px-Valls_Toulouse_2012フランスでは、バルス首相(写真、Wikipedia)はバルセロナ生まれで父親がフランコ政権に反対する活動をしてフランスに移住し、自身は20歳で帰化した。母親はイタリア系スイス人だ。それでも、人気は高く大統領候補ともいわれたのだが、思わぬところに落とし穴があった。
ヨーロッパ・サッカー連盟のプラティニ会長(イタリア系フランス人)からベルリンでバルサが出場したヨーロッパ・クラブ・カップの決勝戦に招待され、公用機で子供二人を連れて出かけたところ、非難囂々となり、それ以来、人気は低迷気味だ。
もちろん、子供を連れて行ったというのも問題だったが、移民が大統領候補といわれることへの複雑な気持ちが表面化した事件だった。本人はフランスとスペインの親善のために良いとおもったのだろうが、そうは認めてもらえなかった。ちなみに、首相の祖父の従兄弟はバルサの応援歌の作者だそうだ。
フランスではほかにも、バルトロンヌ下院議長はイタリアからの移民、イダルゴ・パリ市長はスペイン、ベルカセム教育相はモロッコから帰化しているが、やはりいろいろ厳しいこともいわれている。
女性のペルラン前文科相は韓国で捨てられていたのを施設からフランス夫妻が養子にし、ENA出身の高級官僚になったものだが、閣僚になった当時、韓国のマスコミが韓国系であることをはやしたてたところ、自分はフランス人だといささか迷惑そうだった。
先祖がというなら、サルコジ前大統領はハンガリー移民とユダヤ系ギリシャ人の子で、バラデュール元首相はアルメニア、ベレゴボワ元首相はウクライナ移民系だ。ジスカールデスタン元大統領はフランス人を両親としてドイツのコブレンツで生まれたが、ことあるごとに親独的な姿勢から「ドイツ生まれの大統領」と揶揄された。
フランス以外では、アメリカでは、ケニア人留学生と白人女性のあいだに生まれたオバマ大統領について、本当にアメリカ生まれなのかと追及があったし(生まれながらのアメリカ人でないと大統領にはなる資格がないので)、両親はアメリカ人だがカナダ生まれのクルーズ上院議員に大統領となる資格があるかトランプ陣営が問題にしていた。
ペルーのフジモリ前大統領は、ペルー生まれだが日本との二重国籍であるが、実は移民船上で生まれたので資格がないのではとさんざん疑惑を追及された。
やはり、蓮舫氏も首相候補である野党第一党党首になるのなら、遅まきながら、国籍選択の経緯を説明し、二重国籍でないことを証明し、日台・日中の懸案事項について所見を明確に述べ、台湾の親戚などの状況などについても情報を公開し、日本国への忠誠や愛国心について説明すべきだろう。
いわゆる在日疑惑について
朝鮮系の政治家と言うことで言うと、戦前の日本では、朝鮮籍であろうが台湾籍であろうが参政権はあった。ただ、選挙が実施されたのは、北海道や沖縄でも内地より遅れてのものだったし、朝鮮や台湾では将来の実施が約束されたにとどまった。
したがって、外地にいたら日本籍でも参政権がなく、内地にいたら朝鮮籍でも参政権があった。そこで、朴春琴という人が東京4区で立候補し、1932年と37年には当選している。
また、貴族院には朝鮮や台湾出身の人もいた。台湾の財界トップで北京との交渉窓口トップだった辜振甫氏の父である辜顕栄氏もその一人で、50音順で近衛文麿の隣の席にいたと辜振甫氏と食事したときに聞いた。
戦後に帰化した人のなかでは新井将敬氏が有名だが、先般の参議院選挙で三選された白眞勲さんもいる。そのほかに、民主党政権で要職を占めた某氏も帰化したときの官報告示がよく知られているが、本人は積極的に公表していないのでなぜかマスコミもそれを論じない。
そのほかに、膨大な人数の政治家が帰化したのでないかと言われているが、ほとんどは嘘だと思う。戦前に朝鮮籍の人が日本籍に変えることは難しかったから親が日本人なら帰化したわけでないはずだ。
それに対して女系で外国人の血を引いている人はかなりいると思われるし、なかには、極めて高い地位についた人もいる。また、配偶者が外国人の人も多い。
いずれにせよ、少なくとも政治家や一部の公務員については、外国とのそういう関係は、オープンにするのが国際的常識で、それを隠してよいことにしているから疑心暗鬼がひろまっているのだと思う。
蓮舫民進党代表が実現するなら、そのあたりも全員一気にオープンにしたうえで、上記で蓮舫氏について求めたようなことを実行して欲しいと思う。
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