08/12/2016 05:31:15 AM

国産の水陸両用車の開発に関し、江崎道朗先生がFBで重要な指摘をしておられるので掲載します。

2016.08.11 江崎道朗

〇武器の国産開発を潰す防衛省

防衛省が国産の水陸両用車の開発に乗り出すという記事。しかも、日米共同開発にしていくという。

以下、私の認識が間違っている場合は、遠慮なく批判していただきたい。喜んで訂正する。

実際は、三菱重工はすでに独自に水陸両用車を開発している。ところが、三菱重工が独自に開発を進めたことが気に食わなくて、防衛省はこの計画を潰そうとした。

しかし、アメリカ海兵隊が三菱重工の水陸両用車両の優秀さに注目したため、「日米共同開発」という形で防衛省が関与し、三菱重工の独自開発を潰そうとしている、というのが今回の構図だ。

日米共同開発になんてなったら、武器のことなど判らない防衛省の役人たちがあれこれと、三菱重工に口出しをしてきて、その対応のために人員とコストがかかり、ますます、単価はあがっていく。しかも、共同開発を円滑に進めるためとか言って、天下りポストを要求してくるかも知れない。

防衛省は、いい加減に、日本の優秀な民間企業を食い物にする発想はやめたらどうか。それよりも、民間防衛産業が持ち出しで武器開発をしているのに対して、適正な対価を払えるよう、財務省に対して防衛費増額を交渉すべきではないのか。

自分たちが防衛費増額を財務省を説得できないものだから、そのツケを民間企業に押し付ける、本当にいい加減にしてほしい。

こうした構図を理解していない安倍政権もどうかしている。

はっきりというが、こんなことを繰り返し、国産の武器産業を育てようとしていない日本政府の姿勢を、アメリカも中国もよく見ていて、だからこそ、「舐められている」のだ。

今回の報道をみて、中国人民解放軍などが「結局、日本はアメリカの属国になりたいだけで、自前の武器産業を育てるつもりがない」と嘲笑している姿が目に浮かぶ。残念だ。

なお、南西諸島防衛のためには、水陸両用車の開発・配備よりも、南西諸島に地対艦ミサイルを配備することが軍事的に有効であることを、アメリカ国防総省の関係者からさんざん日本政府は聞かされているはずだが、その点については、ダンマリだ。

日本政府は、尖閣を含む南西諸島防衛の意志がない、とアメリカ政府関係者から思われていることをもっと深刻に受け止めるべきだろう。

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