06/03/2016 01:13:45 AM

最高裁、「花押」を記した遺言書を無効と判決。私は印鑑の偽造が容易になった今の時代の要請に逆行していると思います。
一審、二審が花押の有効性を認めた判決、「文書作成者の特定に使われてきた歴史がある。男性はこれまでも花押を使用しており、印鑑よりも偽造が困難」は妥当だと思います。

印鑑の押印は、花押の署名を代替・簡素化する為に行われ始めたものであり、1873年(明治6年)には実印のない証書は裁判上の証拠にならない旨の太政官布告が発せられましたが、その後失効。

我が国政府の閣議における閣僚署名は、明治以降、現在も、明治以前の法意識に倣い花押で行うことが慣習となっています。最高裁は、我が国の内閣が明治以来続けてきた署名行為は無効で、閣議書は押印が無ければ無効だと言うのでしょうか。

今や、IT化に伴い、印鑑の偽造はかつてなく容易になりました。署名者本人と他者とを明確に区別する方法として、我が国の歴史の積み重ねの中で作り上げられ、印鑑よりも偽造が困難な花押の使用の有効性を認めて然るべきだと思います。

《伝統的サイン「花押」記した遺言書は無効》
2016.06.03 産経新聞

 戦国武将らに使われてきた文書の末尾に記す手書きのサイン「花押」が印の代わりに記された遺言書の有効性が争われた訴訟の上告審判決で最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は3日、「押印の代わりに花押を使用する慣行や法意識はない」として、遺言書を無効と判断した。その上で、有効性を認めた1、2審判決を破棄、相続についての審理を尽くすために、福岡高裁に審理を差し戻した。

 花押は文書の末尾に記すサインの一種で、名前の一部を独自に崩して記す。戦国武将などが使ったほか、現在は閣議書を回覧する持ち回り閣議で大臣が使用することがある。

 民法は、本人が遺言書を作成したことを厳格に証明するため、本人の署名と印をつけるよう規定。印は認め印や指印を有効としている。問題となった遺言書を記した男性は、署名の下に印をつけず花押を記した。

 同小法廷は「印は遺言者の同一性や真意を担保するほか、文書が完成したことを確認するためにある。花押を記して文書を完成させるという一般慣行はわが国にない」と指摘した。

 1審那覇地裁は「文書作成者の特定に使われてきた歴史がある。男性はこれまでも花押を使用しており、印鑑よりも偽造が困難」として、花押を印として認め、遺言書を有効と判断。2審福岡高裁那覇支部も1審を支持した。

http://www.sankei.com/affairs/news/160603/afr1606030036-n1.html

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