「人民元は3年以内に60%下落する」「人民元が高い裡に」。私も予てから指摘してきた通りです。そして中国は自国内の外国人の経済活動を大きく規制しつつ、国外では自由に取引し、富を自国に移し替えようとしている。ババ抜きのババを掴まされない様にしなければなりません。
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《中国の海外企業買収は680億ドル(8兆円弱)の巨額に達していた
まさに「人民元が高い裡に」、「紙くずに化ける前に」が合い言葉》
2016.02.18 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
アベノミクスとは嘗ての米国のレーガノミクスに由来し、インドの「モディノミクス」(モディ首相主導の経済政策)や中国の「リコノミクス」(李克強首相のそれ)の命名へと波及する。
李首相は「GDP統計より、電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行貸し出し残高」と重視するとし、これらは世界のエコノミストの間で「李克強指標」とまで呼ばれた。
しかし中国の経済政策は李首相の手を離れ、金融政策は周小川の手を離れ、すべては新設された「経済改革云々小組」とかの新設の委員会に移管され、その主席はすべて習近平が担った。
つまり「リコノミクス」に替わって「シコノミクス」(Xiconomics=習近平の経済政策)となった。
そのシコノミクスが大音たてて崩れだした。
人民元は3年以内に60%下落すると欧米の投機家が言い出した。
「人民元が高い裡に」、使ってしまおう。人民元が「紙くずに化ける前に」を合い言葉に、典型の買収劇は鵬海精密工業のシャープ買収宣言だ。
金額は7000億円(60億ドル)。一見無謀ともいえる、途方もない提案をして、世界のマスコミがあっと驚いた。
すでに中国化工がスイス農薬大手を430億ドルで買収し、イタリアのピレネタイアを77億ドルで買収し、石油メジャーはカナダの精製、石油エンジニア数社を買収し、ギリシアはピレウス港を買収し、この騎虎の勢いに歯止めがかからない。
2015年のわずか一年間に中国企業が海外の企業買収に投じた金額は679億9000万ドル(8兆円弱)、史上空前の商業行為が行われた。
欧米の会計事務所など、買収を斡旋する専門家集団は「まさに人民元がドルと高値で交換可能な裡にと急いでいることがわかります」と言っている。
中国当局は海外への資金流失に歯止めをかけるため、5000億ドル以上の企業買収には厳密な審査をおこなうとしており、また今後人民元が減価してゆけば、「爆買い」が終息するように、いずれ中国企業の海外企業買収ブームも下火となるだろう。
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