米マグロウヒル社の教科書。米国史の奴隷を「労働者」とした記述を、黒人団体等の抗議を受け謝罪し訂正。内外の反日勢力が築き上げ、世界で日本人の安全を脅かしている「慰安婦強制連行・虐殺」「南京大虐殺」等の捏造を根絶する事はできます。その為には、世界に事実を広報すると共に、反発を恐れて愚かな「河野談話」を継承せず、廃棄しなければなりません。
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《【歴史戦】米国の教科書に書き込まれる「史実」が危ない… ロサンゼルス支局長・中村将》
2015.10.26 産経新聞
それは、西暦1500年から1800年にかけての奴隷貿易を説明する高校世界地理の教科書に書かれていた。米南部のプランテーションにアフリカから強制的に連れてこられた奴隷が、「労働者」と記述されていることを、テキサス州の高校に通う15歳の黒人男子生徒が母親に告げた。母親は驚き、その話をソーシャルメディアに書き込んだところ、騒動に火がついた。
「労働者」だと、給料や報酬を得ていたことになる。忌まわしき奴隷制度への誤解につながる表記に、黒人団体などが猛反発し、教科書の出版社は謝罪した。誤りを訂正した記述が書かれたシールを配布し、教科書に貼ってもらうという。AP通信が今月初旬、こんな内容の記事を配信した。米マグロウヒル社の教科書だった。
迅速な対応の背景には、いまだに米社会に残る人種差別に直結する騒動との認識があったのだろう。生徒が学ぶ教科書なのだから、当然の対応といえる。
だが、同社の対応は必ずしもそうではない。高校世界史の教科書「伝統と交流」は慰安婦について「日本軍は慰安婦として働かせるために、最大で20万人にもおよぶ14歳から20歳までの女性を強制的に募集、徴用した」「日本軍は部隊に対し、天皇からの贈り物として、これら女性を提供した」などと記述していることで知られる。
安倍晋三首相が国会答弁で、教科書の記述について「本当に愕然とした」と述べたのが今年1月。外務省は数回にわたり、是正を要請したが、同社は「学者たちは慰安婦の歴史的事実をめぐって立場がぶれることはないし、私たちも執筆者の著述や研究、発表を明確に支持する側に立つ」との姿勢を鮮明にした。日本の歴史学者らも、誤りや不適切な表現の訂正を求めているが、だんまりを決め込んでいる。「強制徴用」や「天皇からの贈り物」が“歴史的事実”となって教えられている。教科書の記述を疑う生徒はどれだけいるだろうか。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産に、中国が申請した「南京大虐殺文書」が登録されたとき、1年ほど前に聞いた言葉を思いだした。「登録が認められれば、歴史教科書にも盛り込みやすい」。米カリフォルニア州サンフランシスコ近郊を拠点とする中国系反日団体「世界抗日戦争史実維護連合会(抗日連合会)」の研究会での出席者の発言だ。
ユネスコが認めた“史実”に、日本側が異論を唱えれば、「歴史修正」とのレッテルを貼り、中国側がいう「南京大虐殺」を正しい歴史として定着させるもくろみだ。
「受け皿」もすでに整っている。同州の教育当局が1998年に規定した「歴史と社会科学の教育内容の基準」で、高校2年生は「30年代に帝国主義を追求した日独伊を比較すること」とし、「『ザ・レイプ・オブ・南京』や中国における他の犠牲、独ソ不可侵条約を含む」と明記されている。
「ザ・レイプ・オブ・南京」は中国系米国人ジャーナリスト、アイリス・チャン氏(故人)によって書かれ、抗日連合会が全米に広めた本の題名だ。日本の歴史学者らが記述や写真の「誤り」や「偽り」を指摘したが、97年の出版からわずか1年で、南京事件は「ザ・レイプ・オブ・南京」として米国の教育現場に持ち込まれていたのだ。今後はユネスコのお墨付きを得た「南京大虐殺」の記述がなされたさまざまな教科書が使用されることが懸念される。
歴史認識は一度書き込まれると、修正が難しいことはマグロウヒル社の対応からも明白だ。「歴史戦」の教育現場への波及は、ユネスコの決定によって勢いを増すだろう。政府、外務省には戦略的、効果的対策があるだろうか。(なかむら かつし)
http://www.sankei.com/column/news/151026/clm1510260008-n1.html