米国防総省は、中国の核兵器の先制不使用について「適用条件に曖昧な部分がある」と指摘しました。
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《米、中国の宇宙利用に懸念》
2015.05.09 産経新聞
米国防総省は8日に発表した中国の軍事動向に関する年次報告書で、衛星破壊実験などを踏まえ中国の宇宙空間の利用方法に強い懸念を示した。また、中国が公言する核兵器の先制不使用について「適用条件に曖昧な部分がある」と指摘した。
報告書は中国が、宇宙に関する計画を急速に進めていると指摘。対立国の宇宙利用を制限、阻止するために、妨害電波やレーザーなどの開発を続けているとした。
また、中国が米軍を近海に近づけない「接近拒否戦略」に関連し、アジア地域全体のコンピューター網をサイバー攻撃で妨害することで、同戦略をさらに強化する可能性にも言及した。
オバマ政権が掲げるアジア重視戦略において、中国との建設的、生産的な関係の構築は重要な部分を占めると指摘。同時に中国の軍事戦略や軍備の近代化への監視を続ける必要性も強調した。(共同)
http://www.sankei.com/world/news/150509/wor1505090038-n1.html
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《中国軍、宇宙・サイバーへ拡大…米が危機感》
2015.05.10 読売新聞
【ワシントン=今井隆】米国防総省が8日に公表した中国の軍事・安全保障に関する年次報告書は、海、空軍やミサイル戦力だけでなく、宇宙やサイバーの軍事利用を含む中国の急速な軍事力近代化に危機感を示した。
オバマ政権は、中国が南シナ海などで挑発的な行動に出ないよう、引き続き自制を促していく方針だ。
◆「緊張高める」
同報告書は、「中国政府は、偉大な大国の地位を獲得し、習近平(シージンピン)国家主席の唱える『中国の夢』を実現するには、中国軍の近代化が不可欠と考えている」と指摘。米国との「直接的対決」は避けつつ、「地域の緊張を高めることはいとわない」とし、尖閣諸島(沖縄県)を含む東シナ海や南シナ海に対する野心に懸念を示した。
報告書は、中国軍に「米軍の技術的優位を減らす潜在力がある」ことを率直に認める一方、対中政策の基本として、「利害の一致する現実的な協力分野を拡大しつつ、相違点は建設的に対処する」と明記した。オバマ政権が掲げるアジア重視の「リバランス(再均衡)政策」では、中国との関係構築は「重要な部分」を占めるとも強調した。