《ベトナムも南シナ海で埋め立て 中国の活動本格化前に 米シンクタンクが写真公表》 2015.05.08 産経新聞 【ワシントン=加納宏幸】米大手シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は7日、中国と東南アジア諸国が激しい領有権争いを展開している南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島の2カ所で、ベトナムが埋め立てを行ったとする衛星写真をロイター通信に対して公表した。 CSISの分析は、ベトナムは、スプラトリー諸島の砂州であるサンド・ケイで2万1千平方メートルを埋め立てて軍事施設を建設。また、ウエスト・ロンドン礁で6万5千平方メートルを埋め立て、新たな建造物を設置したとしている。 同諸島ではファイアリークロス(永暑)礁で中国が埋め立てや滑走路の建設を始め、「中国は通常のやり方で国際紛争を解決する代わりに力を誇示しようとしている」(オバマ米大統領)などと国際社会から非難を浴びている。 CSISは、2010年から今年4月30日までに撮影された写真を分析した結果として、ベトナムの埋め立ては中国が昨年、南シナ海で一斉に埋め立てを本格化させる前に始まったことを明らかにした。ただ、中国によるファイアリークロス礁での埋め立ては90万平方メートルに及ぶとし、「ベトナムの活動を小さく見せている」と指摘した。 これに対し、中国外務省の華春瑩報道官は8日の定例記者会見で、「フィリピンやベトナムなどは中国の南沙諸島を不法占拠し、埋め立てや空港などの建設を行っている」と主張し、活動を非難した。 写真:ベトナムが埋め立てを行っているとされる南沙諸島付近の1カ所。上は2010年以前、下は15年にそれぞれ撮影(戦略国際問題研究所提供・ロイター=共同) http://www.sankei.com/wor…/news/150508/wor1505080034-n1.html |