日本人が常識とすべき歴史認識をケント・ギルバート氏が解説。同意です。
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《【ニッポンの新常識】米国人の1人としてPRCに戦勝国を自称されると腹が立つ K・ギルバート氏》
2015.02.12 ZAKZAK
日本人の歴史認識に必ず文句を言う国がある。実は、米国人である私も、日本人の歴史認識には不満がある。今日は私の歴史認識を書く。
「アジア唯一の国連常任理事国は?」と質問したら、日本人の大半が「中国」と答えるだろう。不正解とは言わないが、正確には中華人民共和国である。英語は「People’s Republic of China」。PRCは同国の略称だ。
国連常任理事国とは本来、第2次世界大戦の戦勝5カ国だった。しかし、PRCは1949年10月建国で、終戦時には存在しない。国連加盟は71年である。
大戦時の「中国」とは、蒋介石率いる中華民国(国民党政府)である。だから貴重な文化財は現在も台湾の国立故宮博物院にある。PRCを建国した毛沢東率いる中国共産党軍(八路軍)は当時、ゲリラ組織のようなもので、国民党軍と国共内戦を戦っていた。
PRCの歴史はわずか65年、米国の3割未満だ。世界一歴史の古い日本と比べるとかわいそうだが、3%未満になる。
そんな短い歴史の中でチベットとウイグルに侵攻し、朝鮮戦争と中印戦争にも参戦した。国内では大躍進政策、空中核実験、文化大革命や天安門事件などで甚大な犠牲者を出したとされる。
米国人の1人として、PRCに戦勝国を自称されると腹が立つ。米英仏ソ4カ国は、日本やドイツと戦い、多大な犠牲を払って戦勝国になった。ところが、中国大陸の国民党軍は非武装の日本人居留民は殺しても、日本軍からは逃げ回った。同胞の中国人を殺し、日本軍の仕業にしたものも多いという。共産党軍は散発的なゲリラ戦だけだ。
まともに日本軍と戦うことなく中華民国は政治的理由で戦勝国扱いされた。その後、PRCはロビー活動の巧みさで中華民国を国連から追い出し、常任理事国の地位を得た。中国4000年の謀略史は侮れない。
ところで、ゲリラ組織だった共産党軍が大戦後に軍隊らしく整備され、国共内戦に勝てた理由が意外と知られていない。
中国大陸の日本軍(関東軍)は敗戦で武装解除され、ソ連に全装備を接収された。ソ連はこの装備を共産党軍に与えたのだ。残留日本人のうち、軍人や医師、看護婦らが強制連行され、軍事戦略や飛行機の操縦技術、医療などを教えた。これによって共産党軍は航空隊や砲兵隊、医療班を持つ近代的軍隊になり、国民党軍に勝った。
PRCは建国時から日本人の世話になり、後に日本のODAと民間投資を得て発展した。ところが、今は最大の恩人である日本をプロパガンダで貶め、自然を破壊し、軍事的に脅かしている。
私が、日本人の歴史認識に不満があると言った理由が、ご理解いただけただろうか。
■ ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。80年、法学博士号・経営学修士号を取得し、国際法律事務所に就職。83年、テレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」にレギュラー出演し、一躍人気タレントとなる。現在は講演活動や企業経営を行っている。最新刊は『不死鳥の国・ニッポン』(日新報道)。
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