北朝鮮に対する制裁の一部解除。拉致問題に最も真剣に取り組んできた安倍総理の決断ですから、心配ではありますが、注視していきます。確かに北朝鮮側は、かつてない再調査態勢を組織するようです。
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《【拉致再調査】安倍首相、対北制裁の一部解除へ 「北にも進展への態勢できた」》
政府は3日午前、首相官邸で北朝鮮による日本人拉致問題に関する関係閣僚会議と国家安全保障会議(NSC)を開き、北朝鮮への独自制裁の一部を解除する方針を決めた。北朝鮮が拉致被害者らの安否を再調査するために設置する「特別調査委員会」が、党や軍など全機関を調査できる権限を持ち、実効性が認められると判断した。4日の閣議で正式決定する。
北朝鮮も、5月の日朝合意に基づき、速やかに特別調査委を設置。再調査に着手するとみられる。
安倍晋三首相は、関係閣僚会議とNSC後、官邸で記者団に、特別調査委について「国家的な決断、意思決定ができる組織が前面に出るという、かつてない態勢ができたと判断した。行動対行動の原則に従い、日本が取ってきた一部の措置を解除したい」と述べた。
特別調査委は、金正恩(キムジョンウン)第1書記をトップとする国防委員会直轄で、拉致被害者の管理に関わる国家安全保衛部も参加する強力な組織と位置付けられている。責任者は保衛部の幹部が務め、特別調査委の下に「拉致被害者」「行方不明者」など4つの「分科会」ないし「調査チーム」を設置し、地方組織にも通達できる権限が付与されるとしている。
制裁解除の対象となるのは、人的往来の規制▽北朝鮮居住者らへの送金、現金持ち出しに関する届け出の規制▽人道目的の北朝鮮船籍船舶の入港禁止-の3項目。特に人的往来に関しては、北朝鮮籍者の入国禁止▽北朝鮮船籍船舶の乗組員らの上陸禁止▽日本国民の北朝鮮への渡航自粛-などの規制を解除する。
日朝両政府は今年3月、公式協議を約1年4カ月ぶりに再開。5月26日から28日にスウェーデン・ストックホルムで外務省局長級協議を開き、拉致問題を協議することを確認した。
これを受け、日本政府は5月29日に官邸で首相らをメンバーとする関係閣僚会議を開催。日本人拉致被害者の再調査実施と、それに伴う独自制裁の一部解除を決め、合意内容を発表した。
合意文書には、北朝鮮が日本人の遺骨・墓地、残留日本人、日本人配偶者、拉致被害者、特定失踪者ら全ての日本人に関する再調査を行うため、北朝鮮が特別調査委員会を設置することが盛り込まれた。これに対し、日本は3つの独自制裁を解除することを文書に明記した。
さらに今月1日に北京で行われた局長級協議では、北朝鮮から特別調査委の組織やメンバーなどについて説明を受けた。交渉に当たった外務省の伊原純一アジア大洋州局長らは、2日帰国し、首相らに北朝鮮側の説明を報告した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140703/plc14070311020012-n1.htm