ルガンスク、ドネツクでは親露派勢力による庁舎の占拠が続き、ハリコフでは集会が行われる等、緊張が続いています。ロシアの工作員が拘束され、米国は特殊部隊の関与も非難しています。ウクライナは、東部地域全体に国連に監視団の派遣を要請すべきだと考えます。 — 《ウクライナ東部ルガンスクで親ロ派が人質解放-反テロ作戦続く》 ウクライナ東部ルガンスクで9日、親ロシア勢力に身柄を拘束されていた人質の大半が解放された。米国のケリー国務長官はロシアが「特殊部隊と工作員」を使ってウクライナの騒乱をあおっていると非難していた。 ウクライナのアバコフ内相はこの日、同国の治安部隊がルガンスクやドネツク、同国第2の都市ハリコフで「反テロリスト作戦」を続けていると明らかにした。親ロシアのデモ参加者は一部の都市で建物の占拠を続けており、ロシア編入を問う住民投票の実施を求める一方、5月25日に予定されるウクライナ大統領選のボイコットを呼び掛けている。 アバコフ内相は内務省のウェブサイトで「この危機を解決する方法は48時間以内に見つかると考える」との声明を発表。「3地域すべてにおいて反テロリスト警報は解除されておらず、われわれは計画済みの行動をいつでも実行することが可能だ」と続けた。 ロシアのプーチン大統領は前月に黒海沿岸のクリミア半島を編入して以来、ウクライナへの圧力を強めている。米国や欧州連合(EU)による制裁を意に介することなく、ウクライナからの輸入を禁止したほか、天然ガス価格を引き上げ、国境近くの兵力を増強。ロシアと西側諸国の関係は冷戦終結以来で最悪の状態となっている。 ケリー国務長官は8日、上院の外交委員会で「扇動者らは混沌を作り出すために送り込まれている」とし、騒乱をあおっているのは「ロシアの特殊部隊と工作員」だと言明。ロシアが「金を払って人為的に危機を作り出そうとしている」と断じた。 ルガンスクでは、6日に治安当局の本部を占拠した親ロ派が人質60人のうち無傷の56人を解放した。同当局が9日ウェブサイトに声明を掲載した。それによれば、親ロ派は8日には地雷を仕掛け、武器を使って警察を脅したという。 (関連) |