「中国の主張がそのまま載っているドイツ語版ウィキペデア」。世界中で同じ事が起きています。政府支援による「日本の真実を発信する」民間組織を立ち上げ、予算を投じ、この様な「宣伝戦」「謀略戦」に対抗し、世界で誤った認識が固定化される事を防がなければなりません。以下、記事抜粋。
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《川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」
中国の主張がそのまま載っているドイツ語版ウィキペデアに呆然!
「近くて遠い島」尖閣諸島訪問記 其の二》
「アジアの侵略者、日本」という構図
今回の尖閣訪問の直前、一応、家族には言っておかなければと思い、これを読めば尖閣問題の要がわかる、という資料は無いかと探したら、ウィキペディアのドイツ語版に「尖閣諸島」という項があった。読んでみると、なんと、まさに中国の主張通りのことが載っていた。しかも、実に説得力のある記述で。台湾の「タ」の字も出てこない上、島の名前などはすべて最初に中国語、次に日本語という順だ。
それによれば、尖閣諸島はすでに1372年、明王朝時代の古文書に言及されており、1534年から中国の領土として認識され、中国の沿岸防御システムに組み込まれ、それどころか、尖閣の一部の島は、当時の女帝の手によって薬草商人に貸与された、とのことだ。
ところが日本が、1884年に尖閣諸島を発見したと主張。そして1895年、つまり、中国が日清戦争で敗北する直前に、尖閣の領有を宣言したという(日本が尖閣の領有を宣言したのは1886年、尖閣についての日本の見解は先週〈其の一〉に書いた)。
これを読むと、やおら「アジアの侵略者、日本」の構図が浮かび上がってくる。 "日清戦争で弱体化した中国から尖閣を掠め取った日本"、私がドイツ人なら絶対にそう思うだろう。こんなもの、家族に見せるわけにはいかない。とはいえ、ドイツ人が「尖閣」という名を耳にはさんで検索するならば、まず目に入るのがこのページだ。
ウィキペディアは誰でも書き込めるので、不正確な記述の多いことは知られているが、これを放置するのはよくない。外務省が早急に日本の見解を書きこんでくれないものか。日本がいつも悪者にされてしまうのは、外国に住んでいる者にとっては、とても悲しいことだ。