《強気の露「G8にしがみつかない」 世界の多極化さらに推進へ》
改めて確認しますが、2003年、いわゆる「サミット」G7(先進国首脳会議)にロシアがフル参加してG8(主要国首脳会議)となったのは、外交史上、日本の一人負けを意味する出来事でした。
当時、欧米は、ソ連崩壊の果実を全て手にし、旧東欧諸国のみならずバルト3国をはじめ旧ソ連構成諸国さえも西側に引き入れつつある状況にあり、日本だけが北方領土問題をロシアとの間に抱えていました。
当時、西側の一員となる事を希望していたロシアに対し、G7に参加する前提条件として、G7の主要メンバーである日本との領土問題を解決する事を、G7全体のコンセンサスとすべきでしたが、いつもの外交無能振り通り、日本は全くその様な主張や努力をせず、他の6カ国から省みられる事もなく、ロシアのG7への参加が決められました。
そしてG20が既に存在しているとはいえ、G8への次の参加国は中国である事は明白でしたが、相変わらず日本は、中国がG8に参加する条件として、G8の主要メンバーである日本が中国との間に抱えている諸問題を解決する事を、G8全体のコンセンサスとするよう主張も努力もしておらず、他の7カ国から省みられる事もないまま、中国が参加しG9となる事が容易に想像できました。
この様な文脈の中、ロシアのG8からの離脱という情勢になっている訳です。この情勢の変化を最大限に自国の外交ポジションの強化に活用できる、ビジョンと実行力のある国になってほしいものです。
以下、記事抜粋。
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先進7カ国(G7)がロシアで6月に開催される予定だった主要国(G8)首脳会議への参加を取りやめたことを受け、ロシアのラブロフ外相は24日、「われわれはG8にはしがみつかない」と述べた。プーチン政権がクリミア併合を機に欧米から一定の距離を置き、「世界の多極化」を目指す主要メンバーとして揺さぶりをかける場面が増えることが予想される。
G8軽視の兆候は、プーチン大統領が3期目の任期に就いた2012年から表れていた。
プーチン氏は就任直後の日程が決まっていた米国でのG8開催について、「組閣作業に専念するため」として出席を拒否。就任演説でも、G8よりも先にG20(主要20カ国・地域)やBRICS(新興5カ国)に言及した。就任後初の外国歴訪ではベラルーシや中国を選んで、米露関係の「リセット」にも、当初から消極的な姿勢を明確にしていた。