2014/03/19 15:34

《三大都市圏6年ぶり上昇 公示地価、全国で下げ幅縮小》

漸く、資産デフレからの脱却が進みつつあります。

以下、記事抜粋。

 地価の回復が広がっている。国土交通省が18日発表した2014年1月1日時点の公示地価で、東京、大阪、名古屋の三大都市圏(全用途)は前年比0.7%上昇とリーマン・ショック前の08年以来、6年ぶりのプラスに転換。過半数の地点で地価が上がった。全国平均も0.6%下落とプラスに迫る。土地デフレはほぼ終息したが、消費増税前の駆け込みや金融緩和など政策の下支えも大きい。

 三大都市圏で地価が上がった調査地点の割合は前年の11.5%から51.3%に拡大した。全国の上昇地点の約75%を占めており、都市部主導で回復が進んでいる。

 都心の商業地では景況感の改善で先高観が強まり、不動産投資信託(REIT)を中心とする投資マネーが流入。13年のREITによる資産取得額が約2兆2千億円と7年ぶりに過去最高を更新するなど、活発な物件取得が地価を押し上げた。

 住宅地でも金利低下や消費増税前の駆け込み需要が地価の底上げ要因になった。13年の新設住宅着工戸数は、前年比11%増の98万戸と4年連続で増加した。東京圏では五輪開催を20年に控え、湾岸部を中心に交通網の整備で住環境が向上するとの期待感からマンション市場が活況。選手村の建設予定地に近い中央区のマンション用地では上昇率が約11%に達した。

 全国の下落率(全用途)はリーマン・ショック後にマイナスへ転じた09年以来最も小さい。全国の調査地点のうち、上昇地点の割合は前年の8.1%から30.9%に増加。用途別では住宅地が0.6%、商業地が0.5%の下落となり、それぞれ前年から1.0ポイント、1.6ポイント改善した。

 それでも全国の地価が一様に回復しているわけでない。三大都市圏では過半数の地点で上昇したのに対し、地方圏は下落地点が76.1%と二極化が進む。

 地価の先行きについては「(07年前後の)ミニバブルと呼ばれたリーマン・ショック前の水準と比べてまだ低い」(国交省)と一段の回復を見込む声がある。

 消費増税の反動で4月以降に景気の回復ペースが鈍るとの見方も根強い。クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「国内景気への警戒感から地価上昇は足踏みを余儀なくされる」と指摘している。