2014/03/18 20:34

《強制連行巡る訴え 中国裁判所が受理》

中国で、強制連行を巡り日本企業に賠償を求める訴えを裁判所が受理したのは初めてです。中国の対日政策の変化を示しており、対中ビジネスのリスクは更に高まりました。

以下、記事抜粋。

戦時中に日本に強制連行され過酷な労働をさせられたとして中国人の元労働者や遺族が日本企業を相手に損害賠償などを求める訴えを中国の裁判所が受理し、中国で初めて強制連行を巡る裁判が行われる見通しが強まりました。

中国人の元労働者やその遺族合わせて37人は先月、北京の裁判所に訴状を提出し、戦時中に元労働者が日本に強制連行され、過酷な労働に従事させられたとして、旧三井鉱山の日本コークス工業と三菱マテリアルの2社を相手に1人当たり100万人民元(およそ1700万円)の損害賠償と謝罪を求めています。

原告側の弁護士によりますと、18日午後、北京市の裁判所から提訴を受理するという通知を受けたということで、今後、訴状が被告側に届いたうえで、裁判の期日が決まるということです。

中国人の元労働者らを巡る戦後補償の裁判は、これまで日本の裁判所で相次いで起こされましたが、2007年に最高裁判所が「1972年の日中共同声明によって個人が賠償を求める権利はなくなった」などと判断したことで、いずれも敗訴が確定しています。

中国国内ではこれまで元労働者らが日本企業に賠償を求める訴えを裁判所が正式に受理したことはなく、今回の訴えの受理を受け、中国で初めて強制連行を巡る裁判が行われる見通しが強まりました。

中国では、裁判所は共産党の判断に従う仕組みになっており、日中関係が悪化するなか、中国指導部が、日本企業に対して個人が賠償請求を行うことを認めたものとみられます。

原告側の弁護士によりますと、強制連行された中国人の元労働者はおよそ3万9000人に上り、現在も存在する日本企業は20社以上あるとしていて、今回、中国の裁判所が訴えを受理したことで、提訴の動きが広がることも予想されます。