《サイパン新生児の7割が中国人 米国籍持つ「美宝」とは》
問題は、この様にして他国の国籍を保有していても、この人達は価値観から行動様式に至るまで「中国人」でしかなく、居住国において中国の「先兵」として行動する、という事です。
以下、記事抜粋。
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「南太平洋の楽園」ともいわれる米自治領北マリアナ諸島連邦のサイパン島で、ある闇ビジネスが活況を呈している。中国人の妊婦が現地で出産し、米国籍を保有する新生児を母国に連れて帰るパッケージツアーだ。こうして生まれた子供は「美宝(メイバオ)」と呼ばれ、ここ数年で激増。今やサイパンで出生した赤ちゃんの71%が中国系というから驚きだ。
「美国(メイグオ、米国)」で生まれた「宝宝(バオバオ、子供)」、略して美宝。米ABCテレビは2月、この美宝をめぐるビジネスの一端を調査報道で明らかにした。
同局の女性プロデューサーが妊婦を装って北京の旅行代理店を取材したところ、現地での出産費用を含むサイパンへのパッケージツアーの費用は2万7千ドル(約270万円)から。高級な宿泊施設に滞在し、最先端の医療が受けられるほか、新生児の社会保障カードや出生証明書、米国籍とパスポートの取得まで業者がサポートするのだという。
こうした「国籍取得ビジネス」はこれまでも、父母の国籍を問わず出生した子供に現地の国籍を与える「出生地主義」をとる米国やカナダなどで、主に中国人向けに展開されてきた。「一国二制度」の香港でも同様の現象があり、子供に香港の居住権を持たせるため中国人夫婦が現地で産んだ子供は「双非(シュアン・フェイ、父母とも香港人ではないの意」と呼ばれている。
とりわけサイパンは、中国本土から飛行機で約4時間と比較的近い上、45日以内であればノービザ滞在が可能で、さらにリゾート気分も味わえるとあって、ここ数年は中国人客が殺到。ABCテレビによると、2009年にサイパンで中国人女性が産んだ新生児はわずか8人だったが、12年には282人とわずか3年で約35倍に膨れあがった。この数字はサイパンで生まれた新生児の71%が中国人の母親から生まれたことを意味しているという。
これまでも米国生まれの華僑や華人は「ABC(アメリカン・ボーン・チャイニーズ)」と呼ばれてきた。ただサイパンの例に代表される美宝は、出産後すぐに新生児を連れて中国に戻る“ヒット・アンド・アウェイ方式”が特徴だ。
中国人夫婦が子供に米国籍を取得させる目的は主に二つあり、一つは移民だ。米国籍を持つ子供が21歳に達すると、親は永住権(グリーンカード)を申請することが可能になる。
もう一つは、中国の一人っ子政策による罰則を回避して第2子、第3子を出産することである。
現地にとって、中国人の美宝ツアーは妊婦の送迎や医療、通訳など多くの関連雇用を生み出す商機である半面、無制限の移民流入につながりかねない。
「われわれは北マリアナ諸島で開け放っているドアをいかに閉じるか考えなければならない」(スティーブ・キング下院議員)
ABCテレビは、いわば脱法的な米国籍の取得行為への批判の声も紹介している。