2014/03/14 3:03

《世論喚起? 外国人単純労働の段階的解禁への布石? 政府、異例の検討》

少子化に伴う人口と労働力の減少への対応策として、またもや外国人労働者と移民の受入れという議論が提起されました。
しかし、人口減少への対策は、日本人の減少を食い止め増加させる子育て支援策の抜本的充実が正当な施策であり、国家の分裂と崩壊を招く大量の移民の受入れには反対です。
また、移民よりは社会への衝撃が少ない外国人労働者受入れについても、これを進めていくのならば、他国の政策の失敗を教訓として、①日本人に準ずる日本語能力、②日本の文化、習慣、規範の理解と受容、等を不可欠の条件とするのみならず、③滞日期間の厳密な運用、④家族の呼び寄せ等の制限、等により、なし崩しで事実の移民化とならない様にし、また、不法滞在者の「成り済まし」防止の為、⑤我が国国民自身にも身分証明証の携帯を制度化していく必要があります。

以下、記事。

 国論を二分する移民政策について、政府が正面から取り上げたのは異例だ。ただ、内閣府の試算は希望的数値を前提としており、今回は人口減少対策の「1つの選択肢」になり得ることを国民に印象付ける意味合いが強そうだ。政府は世論喚起によって国民の“移民アレルギー”を薄めながら、他方で外国人の単純労働を段階的に解禁し、なし崩しに「事実上の移民」を拡大する作戦に出ようとしている。

 「50年間で1千万人というのは、相当インパクトのある移民という話だ」

 「全体として10人に1人ぐらいはアコモデート(許容)できる範囲ではないか」

 2月24日に行われた経済財政諮問会議の専門調査会では、内閣府が示した移民試算について活発な議論が交わされた。

 安倍晋三首相も同月13日の衆院予算委員会で「国の将来の形や国民生活全体に関する問題として、国民的議論を経た上で多様な角度から検討する必要がある」と答弁しており、移民議論の機運が急速に盛り上がりをみせ始めている。

 だが、内閣府の試算には現在1・41の合計特殊出生率が2・07に回復するとの楽観的な前提が置かれている。しかも、出生率回復には、移民として来日した人が子供をもうけることを織り込んでいる。前提そのものへの批判も予想され、「実現へのハードルは高い」(自民党反対派議員)などの受け止めが多い。

 しかし、「100年後まで1億1千万人の総人口を維持し、労働力人口の減少幅も抑えられることを示した意味は大きい」(自民党中堅)との評価もあり、印象付けは一定の成果を収めた形だ。

 一方、政府が力点を置くのが、移民議論と並行して進める外国人労働者の受け入れ要件の緩和だ。移民政策は自民党内に反対論が多いことに加え、「国民の理解を得るために時間を費やしていては目前に迫った労働力不足に対応できない」(内閣府幹部)との危機感があるためだ。

 第一弾は人手不足が深刻化する建設業への対策だ。技能実習制度を見直し、最長3年の受け入れ期間を5年に延長し、日本への再入国も認める方向だ。

 しかし、最大の焦点になりそうなのが介護職種の緩和だ。現行では経済連携協定(EPA)に基づき介護福祉士の国家試験に合格しなければ、日本で働き続けることはできない。このため介護職も技能実習制度に加えようというのだ。

 これが認められると、国家試験の受験意思のない低技術の介護実習生が大量に来日する可能性があり、単純労働解禁の突破口となりかねない。反対派は「長期滞在できる単純労働者は事実上の移民だ。大量に入るとなれば、移民受け入れを容認したのと同じだ。国家の根幹をなす問題を、なし崩しに変えることは許されない」(閣僚経験者)と警戒を強めている。

 途上国支援の技能実習制度を労働力不足の穴埋め目的で拡大することにも異論があり、議論は難航も予想される。