《「陋規(ろうき)=裏社会の道徳」 瓦解が進みつつある中国》
中国の兆円単位の不正蓄財。確かに日本人の想像の範囲を超えますが、中国関連の仕事をしているのに、どう説明しても信じようとしない人がいる事に閉口します。それでは必ず判断を誤ります。
以下、記事抜粋。
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陋規の《陋》は卑しい、《規》は規律・道徳を指す。いうなれば庶民や“裏社会の道徳”。博打にルールが、泥棒仲間にも約束事がある、といった類い。対する、支配階級が発する表向きの規則や規制、正義といった道徳観を《清規》と称す。
今“社会秩序”は崩れ始めた。例えば、軍や企業に入るにあたり、余裕のある中産階級による贈賄は跋扈している。陋規に沿った「持ちつ持たれつ」。反面、3億人の中国人が毎日2ドル未満の生活をおくる。下層階級は陋規で黙認される賄賂すら捻出できない。就職できない→低所得との負のスパイラルが続く。極端な格差社会では、強盗殺人など凶悪犯罪が増加する。前述した三か条=盗人の最低限のモラルも低下していく。
権利を株化し、権利金を徴収して他人に貸与する胥吏もいた。どこかで聞いた話。そう、中国共産党政権下で横行、裁判が続発中の、政府・軍の地位をカネで買う《売官買官》に似る。現相場は地位によりウン百万~千ウン百万円と高額だ。
しかし売官買官を高額と形容するのなら、党・国家指導層の収賄→不正蓄財はいかに表現すべきなのか…。
香港の人権団体が5日、習近平国家主席(60)一族による334億円の収賄を、開催中の全国人民代表大会に調べるよう訴えたが、驚きはしない。国際的調査報道機関ICIJの1月のスクープで、抗体ができていた。租税回避地に所在する2社のデータを分析した結果-
習氏や胡錦濤前国家主席(71)▽温家宝前首相(71)▽李鵬元首相(85)ら16人の隠し資産は、2社のデータ上だけで計4兆6200万円にのぼる。香港の月刊紙・争鳴の2012年の報道だと、国家主席や副主席、首相の月給は40万~50万円程度で、腐臭はプンプン。
その習氏は腐敗撲滅を強化し、摘発を続ける。既に、最高指導層の一角・周永康氏(71)は汚職で取り調べ中だ。
権力闘争激化という実体も滅亡を加速する。劉被告は周氏ら中央の党幹部の庇護も受け20年以上も訴追を免れたが、周氏を追い詰めるにはまず劉被告をという段取り。当然、歴史に学べば、習氏も失脚に震えるときを遠からず迎える。権力者相互の疑心暗鬼も常で、国外にヒトとカネを流出させる。
実際ICIJの分析では、中国や香港の2万1000人以上が海外企業のオーナーや株主になり00年以降、隠し資産104兆~417兆円が流れ出た。中国人民銀行の報告書でも、1990年代半ば~2008年までの国外逃亡・行方不明者は1万6000~1万8000人で、10兆円が持ち出された。