《中国本土債券、初のデフォルトか-上海超日が利払い不能にも》
当局が救済に乗り出すかどうか、注目です。
以下、記事。
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3月5日(ブルームバーグ):中国の太陽光発電関連メーカーである上海超日太陽能科技は、7日の社債利払い日に8980万元(約15億円)の利息全額の支払いができない可能性があると発表した。支払い不能となれば、中国本土で取引される債券で初のデフォルト(債務不履行)となる。
同社は4日に深圳証券取引所を通じて、社債保有者に400万元を支払う予定であることを明らかにした。同社株式は2月19日に売買停止となった。株価は同日までの1年間で41% 下落し、2.59元。
上海超日の社債がデフォルトに陥れば、4兆2000億ドル(約430兆円)規模の中国債券市場の緊張があらためて浮き彫りになる。1月には中誠信託が発行した信託商品がデフォルト直前で救済された。中国の再生可能エネルギー業界が発行した社債のうち、今年中に償還期限を迎えるのは77億ドル相当と過去最高。
国泰君安証券の債券アナリスト、ヤン・クン氏(上海在勤)は「本土市場で初のデフォルトとなる。債務不履行に対する当局の姿勢が変わり、静かに受け入れつつあることを示している。リスクテーク意欲は大きく落ち込むだろう」と述べた。
債務比率
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによれば、中国人民銀行(中央銀行)が1997年に本土債券市場の規制監督を開始して以降、デフォルトはない。国信証券は昨年12月2日付のリポートで、中国の非金融企業の債務比率が昨年93%に上ったとの推計を示した。アジアでの過去10年の平均は70%以下だという。
ムーディーズの鐘汶権シニアクレジットオフィサー(香港在勤)は「上海超日は利払いをできない」と予想。「引受業者や当局が救済に乗り出さない限り、中国債券市場で初のデフォルト同然だ」と述べた。
上海超日は4日の発表資料で「いつ支払いが可能になるかを、できるだけ速やかに見極める」とし、「社債保有者の損失を最小限にすべく努める」と説明した。同社は幹部給与の削減や遅配を実施し、設備投資計画も停止するという。
ブルームバーグのデータによると、上海超日は2012年3月に5年債を10億元起債した。中国の同業企業では、海外で取引されていたLDKソーラー の社債がデフォルトを起こしている。サンテック・パワー・ホールディングスは米国で破産法適用を申請した。