《中国「尖閣強奪」新局面へ 中国軍出動は時間の問題か》
「日本は尖閣諸島を歴然と実効支配しているのだから、現状維持で何もしない方が中国に口実を与えなくて良い」などと、国際法もきちんと理解できていない愚かな主張をする人がいますが、国際法はそんなに日本に有利にできていません。
中国は、尖閣に関して無意味に脆弱なまま放置している我が国の実効支配を突き崩すべく、着々と実効支配の完成に向けて手を積み重ねてきています。
直近では、昨年11月23日の中国による尖閣諸島を含む防空識別圏設定が絶好の契機だったのですが、一刻も早く、尖閣諸島に自衛隊・海保職員を駐留させ、レーダーサイト等の建設を表明しなければなりません。
以下、記事抜粋。
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尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域を含む東シナ海上空を、一方的に防空識別圏に設定した中国が、同海域で、漁船など日本船舶の拿(だ)捕(ほ)・臨検する恐れが高まっているという。米国は尖閣諸島に日米安保条約を適用する理由として日本の施政権が及んでいることを挙げているが、中国が日本船舶を拿捕・臨検すると尖閣諸島に対する日本の領有権が侵害されることになる。米国が日米安保を発動する根拠が大きく揺らぐことになりかねない。(笠原健)
■「日本の権利侵害船の追い払いに成功した」
政府筋によると、尖閣諸島周辺海域では、すでに日本漁船が中国の公船に追いかけられるという事態が起きており、海上保安庁の巡視船が領海内で操業する日本漁船に退避を求めることも起きている。
中国公船は船体が大きく、衝突されたら日本漁船が沈没するなどの危険が生じかねない。また拿捕や臨検されたら、尖閣諸島周辺における中国による管轄権行使が既成事実化されてしまうとの懸念があるという。
平成25年4月23日には中国の海洋監視船8隻が領海に侵入して日本漁船を追跡する事態も起きている。この時は海上保安庁の巡視船が間に割って入るような形で、日本漁船を逃がした。ただ、中国国家海洋局はウェブサイトで、「日本の権利侵害船の追い払いに成功した」との声明を発表しており、国際社会に対して尖閣諸島周辺で管轄権を行使しているとの世論工作も展開している。
中国は東シナ海に先んじる形で南シナ海でもフィリピンやベトナムなど周辺国と争いながら領有権拡大を強行している。日中関係筋によると、中国は南シナ海での覇権獲得に向けて、(1)諸島の領有を一方的に宣言(2)領有の根拠となる国内法整備(3)海洋調査の実施(4)公船による法の執行(5)海空軍の出動と軍事力優勢の確保(6)占領とその既成事実化-といったプロセスを取ってきた。
中国は、国連が膨大な量の石油資源が埋蔵されている可能性を指摘した直後の1971年に突如として尖閣諸島の領有権を主張。1992年にはその根拠となる領海法を制定した。90年代半ばから後半にかけては日本の警告を無視して尖閣諸島の領海などで海洋調査を強行している。
平成25年11月には尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)で中国海警局の船の乗組員が付近にいた中国漁船に立ち入りを行い、管轄権行使は認めないと警告した海上保安庁の巡視船に対し、「中国の管轄海域で漁業順法活動をしている」と応答。法の執行を公然とアピールした。
■拿捕・臨検→軍出動?
日中関係筋は、中国による尖閣諸島上空を含む東シナ海への防空識別圏の設定も海空軍による軍事力優勢の確保としてとらえるべきだとしており、プロセス面では第4段階から第5段階にさしかかっていると分析している。
政府筋は「今後は間違いなく日本漁船の拿捕や臨検など中国公船による管轄権執行、さらには次の段階の軍の出動に突き進むだろう」と分析している。