《【石平のChina Watch】バブル崩壊、今度こそ「狼」は来た!》
中国からツケまわしの「鴨」と目されている「敵国」日本の企業の経営者の皆様の「事業縮小、撤退」という賢明な決断を念願します。
以下、記事抜粋。
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中国では昨年末から、不動産バブルの崩壊を危ぶむ声が聞こえてきている。例えば12月21日、北京中坤投資集団会長で全国工商連合会不動産商会副会長の黄怒波氏は、北京市内で開かれたフォーラムの席で、スペインにおける不動産バブル崩壊を引き合いに出し「スペインの現在は中国の明日、中国で次に倒れるのは不動産業だ」と喝破した。1週間後、同じ全国工商連合会不動産商会の常任理事を務める経済評論家、朱大鳴氏の論文が多くのメディアに転載された。その中で同氏は「不動産バブルはいったん破裂したら取り返しのつかないこととなる」と述べ、今後数年は「このような事態の到来に備えるべきだ」と提言した。
中国の不動産業の中枢に身をおく2人が口をそろえて「バブル崩壊」を警告しているのだから、事態の深刻さは推して知るべきであろう。実際、昨年後半から不動産バブルの崩壊はすでに目の前の現実となりつつある。
昨年10月30日、国内各メディアはいっせいに、国務院発展研究センター・李偉主任が行った、「地方の中小都市では不動産バブルの破裂がすでに始まっている」との爆弾発言を報じた。中央政府直属シンクタンクのトップが「バブルの破裂」を公言するのは前代未聞の事態である。これによってバブル崩壊が、すでに隠せない事実であることがよく分かった。
新年早々、中国の各メディアがいっせいに取り上げたのは、香港屈指の財閥の李嘉誠氏率いる長江実業集団が南京市内で所有していた国際金融センタービルを売却した話である。実は昨年1年間、長江実業集団は中国国内で持つ不動産物件を次から次へと売りさばき、126億人民元(約2200億円)を回収して中国大陸からの事業の撤退を急いでいる。