平成21(2009)年10月21日
厚生委員会
〇吉田委員
次に、雨水流出抑制対策の取り組みについて伺います。
現在、東京都が豪雨対策の一環として進めていただいている雨水流出抑制対策でありますが、平成十七年九月、中野区、杉並区を中心とする豪雨により約六千棟に及ぶ甚大な被害が発生した状況を受けて、東京都は平成十九年八月に、東京都豪雨対策基本方針を策定し、局所的な集中豪雨対策に取り組んでいただいていると伺っております。その後も、本年八月には、北区において一時間当たりの降雨量一〇〇ミリを記録するなど、豪雨による被害は都内各地で相変わらず発生を しております。
こうした豪雨への対策として、都は、平成二十九年度までに、浸水被害が頻発する神田川流域など七流域において、時間当たり五ミリに相当する雨水流出抑制対策に取り組むとしています。そこで、この七流域における現在の雨水流出抑制対策の実績について、お伺いします。
〇座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務
雨水流出抑制対策でございますけれども、雨水流出抑制施設の設置につきましては、河川下水道への急激な雨水の流出を抑制することから、豪雨対策として有効でございます。このため、東京都では豪雨対策基本方針を策定いたしまして、浸水被害が頻発している神田川など七流域を対象に、雨水流出抑制施設の設置を推進することとしております。
この七流域の雨水流出抑制対策の実績については、平成十九年度末現在、浸透施設と貯留施設を合わせまして約百八十五万立方メートルとなっております。これは東京ドームの約一・五倍の容積でございまして、平成二十九年度までに達成すべき時間当たり五ミリの雨水流出抑制の目標に対しまして、約二・六ミリ分に相当する数字でございます。
〇吉田委員
目標に対して半ばを超えたということだと思います。
さらに詳しく伺いますが、平成十八年十一月の都市整備委員会で、私がお聞きしたところでは、平成十六年度末の神田川流域の実績は、浸透施設と貯留施設を合わせて約五十九万立方メートルということでありました。そこで、神田川流域における現在の雨水流出抑制対策の進捗状況というか、実績についてお伺いをいたします。
〇座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務
神田川流域の雨水流出抑制施設の実績でございますけれども、平成十九年度末現在、浸透施設と貯留施設を合わせまして約六十八万立方メートルとなっております。これは先ほど吉田副委員長がおっしゃいました、平成十八年の委員会におけます質疑で答弁いたしました五十九万立方メートルの約一・二倍となっております。これは先ほど申し上げましたけれども、東京ドームの容積の約二分の一でございまして、時間当たり五ミ リの雨水流出抑制の目標に対しまして、約三ミリ相当に値する数字でございます。
〇吉田委員
六千戸を超える被害を受けて、この神田川流域では三ミリのところまで頑張っていただいていると。着実に雨水流出抑制対策を進めていただいてい るようであります。
この中で、この豪雨対策を効果的に進めるためには、個人住宅への浸透ますの設置、これをさらに促進していただく必要があると思っております。この点について、平成十八年十一月の都市整備委員会の質疑において、私からも、都の浸透ます設置に関する補助金、これを復活していただくようにと求めましたところ、機敏に対応していただいて、感謝をしているところであります。
しかし、現在この要綱を策定して浸透施設への助成を行っている区市は、全体の半分程度と聞いており、さらなる区市の取り組みの強化が望まれるわけであります。そこで、都は個人住宅への浸透ます設置助成を行っていない区市に対して、どのように働きかけというか、取り組みをされているのか、伺います。
〇座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務
浸透ますの設置助成につきましては、現在、要綱を定めて個人住宅への浸透ます設置助成を行っているのは、区部で九区、多摩部で十八市でございます。特に浸水被害が頻発しております七流域におきましては、対象となる十八区のうち九区、十市のうち九市で助成を行っております。その他の区市におきましても、都市開発の際に貯留施設の設置を指導するなど、地域の特性に応じた対策を講じておりますけれども、個人住宅への浸透ますの設置助成は、雨水流出抑制を図る上で効果的な施策であると考えております。
このため、東京都では、個人住宅への助成を行っていない区市に対し、都と関係自治体で構成します東京都総合治水対策協議会におきまして、浸透ます設置等に関する技術指針や、区市及び都の補助制度の周知を図るなど、その啓発に努めております。
今後ともこれらの取り組みを継続して、雨水流出抑制を総合的に推進し、浸水被害の軽減を図っていきたいと考えております。
〇吉田委員
ありがとうございます。本当にこの対象となっているところでも取り組んでいない区市がまだ残っていると。私も一生懸命働きかけをしてまいりたいと思っていますが、ぜひ東京全体で豪雨対策、雨水に対する対策を進めるように、都のさらなるお取り組みをお願いいたします。