平成21(2009)年10月19日
各会計決算特別委員会
〇吉田委員
よろしくお願いします。
私からは、まず、さまざまな工事の発注を行っていらっしゃる建設局において、工事の不調という問題についてお伺いしてまいります。
建設局が行うさまざまな事業は、東京をさらに機能的で魅力的な都市へと発展させていくために極めて重要でありますことから、早期にその事業効果を発現させていくことが不可欠であります。この事業効果を早期に発現させるためには、まず一つ一つの工事が着実に施行されることが基本であります。
このときに、工事をせっかく発注しても落札業者が決まらない、すなわち不調ということになりますと、工事の着工時期がおくれるなど、完成を待つ地元の住民にも迷惑をかける、こういうことになります。
このような観点から、建設局における不調、まず平成十八年度から平成二十年度までの三年間について、不調となった件数はどのくらいであるのか伺います。
〇鈴木企画担当部長
建設局における不調の件数でございますが、平成十八年度が百十五件、十九年度が百四十三件、二十年度が百四件でございます。
〇吉田委員
ありがとうございます。
十九年度から二十年度にかけて少し減少しておりますけれども、まだ百件余の不調が続いているということであります。
これは先ほど申し上げたように問題でありますので、建設局では不調に対してさまざまな取り組みをしていると伺っております。その中の一つとして、昨年四月から見積積算方式、これを導入しているとのことでありますので、この方式の概要についてお教えください。
〇鈴木企画担当部長
見積積算方式では、まず、不調になった工事につきまして、入札に参加した業者の皆様に、価格に開きがあると思われる工種についてヒアリングを行います。次に、価格に開きのあった工種につきまして、複数の業者の皆様から見積もりのご提出をご協力いただきます。そして、各事務所に設置する審査委員会におきまして、それらの見積もりを参考に採用する価格の決定を行い、設計書を作成いたします。
〇吉田委員
価格についていろいろと問題があって不調が起きたということで、今ご説明いただいたようなことをやっていくと。平成二十年度におきましては、この方式を採用した工事案件は何件あったのか、お伺いします。
〇鈴木企画担当部長
河川上にかけるPCげたの製作架設工事と、公園内の橋梁耐震補強工事の二件でございます。
〇吉田委員
すぐに聞けばよかったんですが、この二件、それぞれの当初の予定価格は幾らであったのか。で、この方式を採用したことによる予定価格、そして最終的な落札の価格、それぞれ幾らであったのか、お教えください。
〇鈴木企画担当部長
PCげたの工事は、当初予定価格が約四千百七十万円に対しまして、見積積算方式を活用した予定価格が約五千三百六十万円となりまして、この結果、約四千六百六十万円で落札いたしました。
また、橋梁の耐震補強工事でございますが、当初予定価格が約三千五百三十万円に対しまして、見積積算方式を活用した予定価格が約四千百七十万円となり、この結果、約三千九百八十万円で落札いたしました。
〇吉田委員
ありがとうございます。
当初、四千百七十万円と見込んでいたけれども、ちょっとそれじゃ不調で、この予定価格を積算し直してみて五千万円を超えたと。最終的に、それで発注してみたらということで、入札してみたら、最終的には四千六百六十万円で落札ができた。あるいは、三千五百三十万というのがだめで、最終的には三千九百八十万円ということで何とか工事は落札できたと。
こういう当初の予定価格、いろいろな事情の中で、この実情にいろいろな工事の性格などを細かく見ていくと合わなかったところがあったと。これを見直していただいて、こういう結果になったということで、このやり直しが何度も何度も続いていくということは、先ほど申し上げたとおり、やはりロスが起きる。ですから、未然にというか、非常に適切な予定価格の設定をしていくということが大事なわけで、では、最後に、二十年度の経験を踏まえて、現在、この方式を建設局はどのように運用しているのか、お伺いします。
〇鈴木企画担当部長
本年四月から、平成二十年度に見積積算方式を採用した工事と同様な工事で、不調が予想される工事につきましては、あらかじめ見積積算方式を採用できるようにいたしました。
〇吉田委員
実際に不調になった工事だけではなくて、予想されるときにも機動的にというか、対応するようにされたということで、二十一年度、現在のところ、不調は減少傾向にあるというふうに伺っておりますが、本当に一つでもこういうことが減るように、そして事業効果が早急に発揮されることを期待したいと思います。不調の原因もいろいろさまざまではございますけれども、いろいろのお取り組みを引き続きしていただきますようにお願い申し上げます。