平成21(2009)年10月14日
各会計決算特別委員会
〇吉田委員
最後に、農産物の安全というか、その問題についてお伺いをいたします。
昨年一月に、中国から輸入した冷凍ギョーザを食べた人たちが中毒症状を起こして社会問題となった、いわゆる毒入りギョーザ事件というのは記憶に新しいところであります。これは一段落ついたのかなというふうに思いましたら、そうではなくて、ことしに入っても基準値を超えるジコホールが検出されたウナギ、エンドスルファンの出たドジョウ、あるいはダミノジッドが出た落花生、ざあっと一月、三月、四月、五月、六月、七月と、ことしに入っても十四件、この中国産の残留物質関連違反、こういうものが東京都が関与しただけでも十四件。さまざまな食品から、ライチだ、ネギだ、あるいはホウレンソウ、アスパラ、上海ガニ、いろいろなもので出ているわけであります。
こういう事件が後を絶たない中、やはり都民の食の安全・安心に対する意識が非常に、あるいは心配は非常に高まっております。東京都内では、安全・安心な農産物を食べたいという都民のニーズにこたえた農業が行われています。このような消費者の身近でとれた、安全につくっていただいた農産物、これは新鮮であることはもとより、フードマイレージという観点からも地球環境に優しい、こういうものであります。東京産の農産物を都内で消費する地産地消、これが広まっていくことこそ、都民に安心感を与えていくと私は考えます。
そこで、この地産地消に関する都の取り組みについて、お伺いをいたします。
〇産形農林水産部長
生産地と消費地が近いことは、さまざまな面で好ましいものと考えております。都ではこれまで、新鮮で安全・安心な農産物を都民に供給するため、生産施設の導入や生産技術の向上等、農業の生産面での支援を行うほか、各地域における直売所の設置等、流通面での支援を実施してまいりました。
また、地場産食材の理解を深めるためにも、農産物を地元の小中学校の給食に供給する地産地消給食導入支援事業をモデル事業として実施してきました。平成二十年度からは、都内産農産物を農業との触れ合いの少ない都心部の小中学校に重点化して供給することとし、昨年度は、新宿区、文京区、中野区、荒川区の四区二十六校で実施いたしました。
〇吉田委員
ありがとうございます。
中野区でも実施していただいているということで、新鮮な安全・安心な東京産の農産物を都民に供給する、これらの事業について、今後とも積極的に推進をしていただきたい、このように思います。
一方、東京には全国各地からも農産物を初め多くの食品が集まっており、私たち都民の食生活を支えていただいているわけであります。東京都では、東京産の農産物も含めて、食の安全・安心を求める都民の期待にこたえる制度として、東京都生産情報提供事業者登録制度があると聞いております。この制度の概要と平成二十年度の実績、そして今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇産形農林水産部長
東京都生産情報提供事業者登録制度は、都民の食への安心を向上させるために、平成十六年度から開始した都独自の制度でございます。その内容は、農産物や加工品などの食品の生産、製造に関する情報の提供に取り組む食品事業者と、その食品を登録するものであり、消費者の求めに応じて、登録事業者が生産情報を提供するものでございます。また、登録事業者は、食品に登録マークを表示することなどで生産情報が明らかな安心できる食品の目安となることを目指しております。平成二十年度の実績は、登録事業者は千四百三十八事業者、登録食品は三十四食品の登録があり、事業開始から二十年度までの延べでは、登録事業者数は三千八百八十二事業者、登録食品数は四百五十食品となっております。
今後とも、都内農家へは日ごろ農家へ技術指導などを行っている農業改良普及センターが中心となって加入を促すとともに、同様の制度を運営する他県や団体などとも連携し、登録制度の普及拡大に取り組んでまいります。
〇吉田委員
制度の概要、それから現在の進捗状況、よくわかりました。これ本当に消費者にとって安全性というものを確信ができるというか、大事な制度をやっていただいていると思います。ぜひ、今延べの登録事業者数、四千弱ということでありましたが、さらに、いろいろな事業者にこの制度に入っていただいて、安全・安心な食べ物、これが本当に都民の食卓に上るように取り組みを進めていただきたいと思います。
いろいろとお聞きをしてまいりました。東京都が二十年度もいろいろと一生懸命に取り組んでいただいている状況、よくわかりました。引き続き、雇用や、あるいは中小企業の活性化支援、そして都民の安全、こういう問題に大変重要な施策、事業を行っていただいている産労局におかれましては、本当に引き続きしっかりと取り組んでいただくようお願いを申し上げて、質問を終わります。