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各会計決算特別委員会 第二分科会 (私立学校の安全対策について)

平成20(2008)年10月24日

各会計決算特別委員会

〇吉田委員
 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 では、次に、私立学校の安全対策ということについてお伺いをいたします。
 まず、私学関係の十九年度決算の中から、生徒児童の安心・安全という極めて重要な観点から、私立学校の安全対策に関する補助について、何点かお伺いします。
 十九年度決算説明書の五四ページの表の上から三つ目に、私立学校安全対策促進事業費補助として、予算額九億九千万円、支出済額約七億円、執行率七〇・七%と記載されてございます。この予算額には、AEDにかかわる一億七千万円と、校舎等の耐震化に関係した補助としての八億二千万円が入っておると思いますけれども、今回は、私立学校の校舎等の耐震化に焦点を当てさせていただいて、そもそも耐震化にかかわる補助制度がいつごろから開始されたのか、まずお伺いいたします。

〇小笠原私学部長
 耐震化にかかわる補助制度につきましては、都では既に平成十五年度から、私立学校の安全対策促進事業費補助制度をスタートさせ、校舎等の耐震化の促進に努めているところでございます。

〇吉田委員
 直近で中国の四川の地震や、あるいは岩手・宮城内陸地震など大規模な地震が起きていることから、東京都としても取り組みを強めていらっしゃるというふうに思いますが、おっしゃった十五年度からこれまでに、耐震化の促進を取り巻く状況がどのように変わってきたのか、たしか「十年後の東京」においても学校の耐震化、これが取り上げられておりましたけれども、これを整理してご説明いただきたいと思います。

〇小笠原私学部長
 平成十八年一月に改正された耐震改修促進法に基づき策定した東京都耐震改修促進計画では、私立学校を含む特定建築物の耐震化率を今後の十年間で九〇%とする目標が定められました。
 また、平成十八年十二月策定の「十年後の東京」におきましては、平成二十七年度までに小中学校は一〇〇%の耐震化が目標とされました。
 これらを受けて平成十九年十二月に策定された「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八におきまして、三年後の小中学校の耐震化率は八五%が目標数値となっております。

〇吉田委員
 そうだと思います。そこで、都も耐震化の促進に向けて努力をしていただいているというわけでありますが、成果は、実際にどれだけの成果が上がっているのかということで、十五年度から補助制度が開始されたわけでありますので、十四年度末の耐震化率と十九年度当初の耐震化率をまずお尋ねいたします。

〇小笠原私学部長
 平成十九年四月一日現在の私立学校の耐震化の状況は、学校種別ごとに申し上げますと、幼稚園五九・二%、小学校七六・八%、中学校八二・三%、高等学校七〇・六%で、これらの全体では六六・五%となっております。
 平成十四年度末の耐震化率は、全体で五二・九%でしたので、この四年間で一三・六ポイント、耐震化が上昇しております。

〇吉田委員
 ありがとうございます。
 では、十八年度に比べますと、十九年度は、耐震化促進のためにどのような方策を講じ、その結果どれだけの成果が上がったのか、お伺いいたします。 〇小笠原私学部長 平成十九年度におきましては、これまで対象としていなかった個人立などの幼稚園、専修・各種学校を補助対象に加えることとしました。
 また、耐震診断に対する補助制度を整備いたしました。
 その結果としての耐震化率でございますけれども、平成二十年四月一日現在では、幼稚園六一・六%、小学校七七・一%、中学校八四・六%、高等学校七三・〇%で、これら全体では六八・七%でございます。
 先ほどお答えいたしましたとおり、平成十九年四月一日現在は全体で六六・五%でしたので、一年間で二・二ポイント上昇しております。

〇吉田委員
 都としていろいろと頑張っていただいているというのはよくわかります。しかしながら、先ほどご答弁いただいた、平成二十二年度までに小中学校の耐震化率八五%という目標数値でありますが、年間で二・二ポイントの上昇という今のペースでは、達成できないのではないかという懸念があるわけでございますが、これについてお伺いいたします。

〇小笠原私学部長
 平成二十年度当初予算から補助対象施設に木造の園舎、校舎等を加えますとともに、耐震化に伴う園舎、校舎等の改築工事についても補助の対象といたしました。
 さらに、補助率を従来の二分の一から三分の二に改善いたしました。
 また、さきの第三回都議会定例会で可決されました補正予算におきまして、耐震診断に係る補助率を三分の二から五分の四に引き上げたところでございます。
 これらの施策につきまして周知を図ることによりまして、その活用を促進し、耐震化の目標を達成してまいりたいと考えております。

〇吉田委員
 ありがとうございます。十九年度の施策等、結果を踏まえて、二十年度、さらに一層施策を新たに展開されているということを理解いたしました。
 耐震化は命にかかわることでありますだけに、いまだ耐震化が進んでいない各私立学校には早急に取り組んでいただきたいわけでありますけれども、実際には、耐震改修には莫大な費用がかかりますので、私立学校は大変な負担をしなければいけないわけであります。
 それでも私立学校に早急に耐震化に取り組んでいただくために、何らかのさらなる手助けというか、例えば、低利での融資をあっせんするなど、耐震化推進のためにさらに加速させるべきだと考えておりますが、所見を伺います。

〇小笠原私学部長
 私立学校に対する融資につきましては、財団法人東京都私学財団におきまして、教育環境の整備や学校の経営の安定化を図るため、市中金利よりも低利で長期の融資を行っております。都の補助事業とこれらの融資制度を活用することによりまして、私立学校の耐震化の促進を図っているところでございます。

〇吉田委員
 ありがとうございます。たしか利率一・三%という、市中金利よりも大変低利ということだと認識しております。そしてまた、十年返済のものが二十年というふうに借りやすくなったというお取り組みをしていらっしゃると思いますが、東京都私学財団の融資にも予算枠というのがあると思います。財団の十九年度決算では、融資枠は四十一億一千三百万円というふうな実績であります。今後、いろいろな取り組みを都として進めていただいて、融資を借りて一層早く取り組もうという私立学校がたくさん出てきて、ご相談があった場合に、貸し出しの予算枠を超えたので、ちょっと貸し出せませんというようなことが絶対に起きないように、都はしっかりと関係の各方面に働きかけるなど、東京都私学財団をサポートしていただいて、一日でも早く耐震化の目標が達成できるように強く念願をさせていただいて、次の質問に移ります。

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