平成20(2008)年6月5日
環境・建設委員会
〇吉田委員
私からも、築地川の不法係留についてお伺いをいたします。
ただいま高橋委員から非常に適切な質疑を拝聴いたしましたけれども、都の説明によりますと、この団体は許可がないにもかかわらず、この築地川で船舶で事務所を構えて、会員を募集し、営利事業、営業行為を行っているということであり、都民の目からして、このような不法占有の状態は、もう一刻もこれは適正化されなければいけない、許されるものではないと私も考えます。
都民の都政に対する信頼を裏切らないためにも、早期の取り締まりを行うべきであると考えます。
そこで、まず確認でありますが、聞くところによりますと、これらの船舶の中には二十年近くも不法係留を続けているものがあるとのことでありますけれども、このような長期間の占有を続けていることによって時効が成立するなどして、何らかの権利を取得してしまうようなことがないのかどうか懸念されるのですが、そのような問題がないのか、確認をいたします。
〇高橋河川部長
一般に民法では、他人の物や権利を長期間継続して占拠して使用する状態が続くと、その事実をもって他人の物の所有権やその他の権利があるものと認める時効取得という制度があります。しかし、本件の場合、船舶が係留されている水面には、河川法の規定により、そもそも権利の設定ができないため、占用を続けても時効によって所有権を初め何らかの権利が取得されることはありません。
また、工作物が設置してある本件土地につきましても、国有財産法の規定により、許可しない限り権利設定はできないとともに、河川としての機能や形態をなくすなどの特別な事情があるとき以外は、時効により所有権を取得することはありません。したがって、本件におきまして、何らの権利を取得することはありません。
〇吉田委員
ただいまのご答弁を聞いて安心をしましたけれども、やはり権利が発生しないからずっとほっておくわけにはもちろんいかないわけで、一刻も早い適正化が求められます。
そこで、都の取り締まりの状況についてお伺いしますけれども、この係留施設を管理しているとする団体は、そのホームページの中で係留施設の宣伝を行い、楽しそうなプレジャーボートの写真を掲載して、これが合法であれば非常に魅力的なホームページなんですが、利用者を募っております。
都は、この団体に築地川を占有することの違法性を通告し、事業を継続する意図を断念させるために、そしてまた、関係者や都民に都の取り締まりの姿勢を明確に示すためにも、この団体に対してホームページの閉鎖を要請すべきではないかと考えます。
また、この船には警告書を張っているということでございますけれども、道路の通行人や、この施設の利用者に、この係留施設に行く際に必ず目につくように、ここが違法な係留施設であるということがわかるように、紙を張るというだけでなくて、固定した、例えばプラスチック製の、例えばここは危険だから入らないでくださいというようなのが、よく工事現場にプラスチックの二ミリぐらいの厚さの物がありますけれども、ああいう固定した警告看板を目立つところに設置して、明確に意思を示すべきと思いますが、いかがでしょうか。
〇高橋河川部長
都は、中央区と連携いたしまして、築地川のこのような不法で無秩序な状態を是正するため、この団体に対しまして、これまで指導、警告を繰り返してきました。今後は、先生のお話しのホームページの閉鎖要請や、警告看板の設置なども含め、航路を管理している海上保安庁などの関係機関と連携を強化し、さまざまな方策を講じて適正化に努めてまいります。
〇吉田委員
ありがとうございます。私からも、都は、一刻も早い適正化に向けて、最終的には代執行といった法的措置も含めて、毅然として対応していただくことをお願いいたしまして、これで質問を終わります。