平成20(2008)年6月5日
環境・建設委員会
〇吉田委員
私からも一言、意見表明を申し上げたいと思います。
ただいまの矢島委員、今村理事の質疑におきまして、なるべく数多くの試験を実施できるように努力するとのご答弁がありましたので、本当にお願いしたいんですけれども、本陳情の趣旨は、試験を迅速に実施してほしいということであります。
こういうことになりましたのは、陳情者の所属する運輸会社が直接試験申請をしたのではなくて、その運輸会社から委託された者が介在し、その者の意向によって当初、申請が昨年五月だったのに対して試験の実施が十一月に認定され、試験に至るまでの期間が長引いたと。加えて、試験結果が不適合となって再試験を余儀なくされて、その次の試験は本年の五月ということで、もう一年にもわたってトラックが使用できないということで業務に支障を来していると。これは本当にお気の毒なことでありまして、大変な不利益をこの陳情者がこうむっているということが問題なんだと思います。
なるべく試験は努力して進めていただきたいんですが、今回不適合になったということにつきましては、車両の整備状況が悪くていろいろと工夫を施しても国が定める排出ガス基準をクリアできない場合や、車両と排出ガス軽減装置の相性が悪い場合もあるなど、原因はケース・バイ・ケースでいたし方ない面があろうかと思います。
しかし、一点、ちょっとご提案というか、私が申し上げたいのは、こうした適合、不適合になった事実というものを可能な限り公表していくということが必要なのではないかと思います。
これは、頼む業者さんによってうまく全部適合で送り出せるところと、なかなかうまくいかないところとか、そういう業者さんのノウハウとか腕、そういうものもあって、この車は得意なんだけどこの車は苦手だとか、いろいろあろうかと思うんですね。
車両の所有者も、どういう場合に不適合になる可能性があるのかということが事前に認識することができれば、いろいろと、これはなかなか難しい車を自分が頼もうとしているんだとか、この業者さんはなかなかいつもうまくいっているんだとか、そういうことを事前に認識できることは大事じゃないかなと。そして、そういうことを頼む側が知っているという前提であれば、排出ガス低減装置等の開発会社も緊張感を持ってというか、そうした事例を踏まえてさらなる技術開発とかいうことに努めていける、要するに競争状態に入るということになろうと思います。
もちろん、環境科学研究所は国が定めた枠組みの中の一試験機関という位置づけでございますので、この試験結果を公表できるかどうかということは法律を所管する国の判断が必要でございます。
したがいまして、こうした適合、不適合の事例を、個人や企業の情報管理に配慮を講じた上で各試験機関から少なくとも国が情報を収集し、これを研究、検討して、必要に応じて関係者に情報を提供するなどの取り組みを行うことが求められるのではないかと考えます。
そして、試験機関の側も国にこうした取り組みを行うように要請するとともに、その持てる科学的知見を活用して国の取り組みに協力していくべきであろうとご意見を申し上げ、意見表明といたします。