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本会議 一般質問 (少子化対策・子育て支援、河川の整備、海岸保全事業、生物多様性の保全、環境税、自転車の安全な利活用対策、歩道のバリアフリー対策、アニメ・アーカイブ事業、都営地下鉄の安全対について)

平成19(2007)年12月12日

本会議・一般質問
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○五十一番(吉田康一郎君)
 まず初めに、少子化対策・子育て支援について伺います。
 一昨年の十二月八日、私は初めての一般質問においてこの問題を取り上げ、社会保障・人口問題研究所の我が国総人口に関する推計において、最も悲観的な低位推計では、二一〇〇年には我が国人口は現在の三分の一の四千六百四十五万人になり、その後も減っていくと述べました。これは平成十四年一月推計によります。
 ところが、同研究所が昨年十二月に公表した新たな推計は驚くべきものです。二一〇五年の人口は中位推計で四千四百五十九万人、低位推計では三千四百五十二万人、わずか四年で中位推計で約二千万人、低位推計で一千二百万人の下方修正がなされたのであります。
 二年前、私は、百年後に我が国の人口は今の三分の一になると訴えましたが、今は四分の一になると訴えざるを得ません。都の出生率も残念ながら改善していません。これまでの枠を超えた取り組みが必要だと考えます。
 こういう観点から、まず、日本の家族関係社会支出の対GDP比と比べて、子育て支援の先進国であるスウェーデン、フランスはどの程度の差があるのか、また、出生率にはどの程度の差があるのか、そして、家族関係社会支出の対GDP比と出生率の間には有意な相関関係があると思いますが、見解を伺います。

 次に、東京の出生率が日本の中で最も低いことについてどのように認識しているのか、伺います。
 都は、一昨年十二月に私が訴えて後、昨年から国に対して子育て支援のための財源を確保するよう提案要求しており、これは高く評価します。引き続き、国に対して積極的に働きかけを行うべきです。所見を伺います。
 十九年版少子化社会白書によりますと、結婚後ゼロから四年の若い夫婦では、理想的な子どもの数は二・三人、平均予定子ども数は二・〇五人と〇・二五人の差があります。平均理想子ども数を持てるようにすべきと考えますが、所見を伺います。
 本年十二月の時点で、少なくとも十二の県が保育料について補助あるいは無料化を実施しており、都内の十四の区市が独自の手当を支給し、三十三の区市町村が認可保育所及び認可外保育に係る保育料等への補助あるいは無料化を実施しています。都としてぜひ、児童手当の加算、あるいは都独自の手当を創設すべきです。また、保育料の減免など、区市町村が独自に行っている支援事業に対して、二分の一助成など行うべきと考えます。強く要望します。

 次に、家庭内労働及び育児を行う者と外で働く者とで、どちらかが他者に比べて不利益をこうむること、差別的な取り扱いを受けることがないようにすべきです。また、国は保育に欠ける児童とそうでない児童を分けて施策を展開していますが、分け隔てなく保育に欠けない子も支援すべきであります。見解並びに取り組みを伺います。
 昨日、国が都から三千億円規模の財源を召し上げることになりました。
 約一千九百億円あれば、都内の子どもに毎月一万円ずつ十五歳まで給付できることを考えれば、本当に残念でなりません。
 現在、子育て応援戦略会議でさまざまな施策を検討しているとのことですが、従来の延長線上でない、抜本的な施策が望まれます。知事の所見を伺います。
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 次に、河川の整備について伺います。
 河川事業の担う最も重要な役割は、水害から都民の生命、財産を守ることですが、他方、河川は地域住民に潤いや安らぎを与える場所でもあります。都は昨年十二月に「十年後の東京」を発表し、水と緑の回廊で包まれた美しいまち、水辺空間の再生をうたっています。東京の河川における親水空間の整備についての基本的な考え方及びこれまでの取り組みについて伺います。
 特に、私の地元の神田川や妙正寺川など、区部西部の中小河川は稠密な市街地を流れており、深い掘り割り構造となっていて、水際までおりることができない区間が多いのですが、このような区部の中小河川における親水空間の整備について、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
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 次に、海岸保全事業について伺います。
 近年、海岸の浸食が激化し、貴重な国土が失われ、このままの状況で推移すると、国全体で、十五年後には新島に匹敵する面積が、三十年後には三宅島に匹敵する面積が失われると予想されています。沖ノ鳥島を初め、伊豆・小笠原諸島など、都の島しょは我が国全体の排他的経済水域の約四五%を占めており、その保全は重要であります。
 都では、海岸保全事業を昭和三十年代から実施していますが、その整備率はいまだ四割であり、今のペースだと、完成まであと半世紀かかることになります。その間どんどん失われていくわけであります。また、海岸保全区域以外の一般公共海岸においても、毎年一メートル以上も海岸線が後退しているところがあるとのことであります。既に保全区域に指定されている海岸については重点投資して浸食対策を早く進め、いまだ指定されていない海岸についても、浸食の状況や対策の必要性を調査するなどの取り組みが必要だと考えます。
 そこで、国土及び経済水域を守るために、一般公共海岸における調査も含め、今後、海岸保全事業にどのように取り組んでいくのか、伺います。

 次に、今の時代にふさわしい都立公園の改修について伺います。
 都立公園は、都市における貴重なオープンスペースであるとともに、日常生活の中で自然の美しさや季節の移り変わりを感じ、心がいやされる場所として都民に愛されています。しかし、社会経済状況が変化する中、都立公園を将来に向けて生かしていくため、新たに求められる機能に適切に対応した改修が必要と考えますが、都としてどのように取り組んでいるのか、伺います。
 都では最も古い都市公園の一つである上野恩賜公園において、上野公園グランドデザインの検討を行っていると聞いています。今後どのようにまとめられるか、期待しているところであります。
 一方、日比谷公園では、大噴水と日比谷公会堂の間にある洋風形式の第二花壇に周りの園路との段差があり、幼児が一回転して転げ落ちたという話も聞きました。幸いけがはなかったとのことでありますが、大事に至る可能性も否定できません。従来以上に安全についてのニーズが高まっている今日、古い時代につくられた歴史のある公園についても、今日まではぐくまれてきた景観を大切にしつつ、幼児から高齢者まで、より安心して快適に利用できる今の時代にふさわしい公園にしていくべきと考えますが、所見を伺います。
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 次に、生物多様性の保全について伺います。
 希少な野生動植物を含め、多様な生物種と生態系は、人間にとって有用なさまざまな価値を現在及び将来の世代にもたらすものであり、その保全が必要ですが、そのためにはまず都として基礎的な情報を把握することが重要です。
 都は、平成十年に都内の希少野生動植物のリストである、いわゆる東京都版レッドデータブックを策定しましたが、その後、改定を行っていません。
 一方、国では、動植物を種類ごとに、例えば哺乳類では平成十年に策定したものを、昆虫類では平成十二年に策定したものを、植物では平成九年に策定したものを、それぞれ平成十九年に改定しています。自然環境もさまざまな要因で変化していく中、都としても改定を行うべきです。所見を伺います。
 そして、平成十年の策定の際は文献情報の整理を中心に行ったようですが、希少生物種の保護を図っていくためには、その現状をきめ細かく調べることが重要であり、今後、改定する際には、文献調査のみならず現地調査を行うとともに、都民、団体、研究者等から情報が都に提供されるような仕組みをつくり、情報を把握していくべきだと考えます。所見を伺います。
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 次に、環境税について伺います。
 実効性のある温暖化対策の一環として、環境税の導入は大きな期待が寄せられるものであります。
 しかし、期待どおりの効果をもたらし、意図せざる弊害を生じさせないためには、幾つかの原則を踏み外さないことが重要だと考えます。
 すなわち、まず温暖化の負荷の量に従った課税とすること、例えば化石燃料について炭素含有量を基準に課税する、あるいはメタンなど他の温室効果ガスも含め、温室効果量を基準に課税するということです。
 そして、導入時点において税収中立の制度設計とすること、目的税としないこと、なるべく広域的な税制とすることであります。
 さらに、適切な激変緩和措置を設けることも必要です。
 都税調はこれらの点を踏まえて環境税制を引き続き検討していくべきだと考えますが、所見を伺います。
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 次に、自転車の安全な利活用対策について伺います。
 都は温暖化防止対策を進めるため、カーボンマイナス東京十年プロジェクトに取り組み、CO2を二五%削減する目標を掲げています。
 この目標を達成するため、他の部門とともに、運輸部門においても削減努力が求められます。
 さまざまなTDM施策の推進など、総合的な対策を講じていくことが必要ですが、特に自転車は身近で手軽な交通手段であるとともに、CO2を排出しないことから、より一層利用を促進していくことが効果的です。
 都は、本年一月に自転車の安全利用推進総合プランを策定し、自転車は、鉄道、自動車、徒歩などと並ぶ都市における主要な交通手段の一つとして位置づけました。そこで、今後、都は自転車の利用促進にどのように取り組むのか、また、利用を定着させるために進捗状況を取りまとめ、都民に周知することが必要だと考えますが、あわせて伺います。
 特に、歩行者と自転車、自動車を可能な限り分離して、それぞれが安全快適に利用、走行できるような道路の整備を進めていくことが必要です。
 そこで、都道において、また、港湾局所管の臨海副都心において、安全で快適な自転車走行空間の整備にどのように取り組んでいくのか、伺います。
 また、安全性確保のためにこれまで以上に踏み込んだ取り組みが必要だと考えます。
 自転車と自動車の事故は漸減傾向にありますが、残念なことに自転車と歩行者の事故は増加傾向にあります。私の身近でも、私の母が自転車の事故に遭いまして、顔と手と足をけがして、今足を引きずっております。最近では、歩行者が自転車にひかれて亡くなる死亡事故も起きています。
 自転車事故発生件数を年齢別に見てみると、二十代の件数が最も多く、次いで三十代、十代となっています。二十代に焦点を当てた自転車のルール遵守等の普及啓発を実施していく必要があると考えます。所見を伺います。
 自動車やオートバイ等ではナンバープレート、正式には自動車については自動車登録番号標、軽自動車、自動二輪車、原動機付自転車などについては車両番号標、課税標識といいますが、それを表示させることで安全対策に効果を上げています。
 自転車についてもナンバープレートを表示させることは、危険な運転や犯罪の抑止に有効と思われます。自転車には防犯登録制度があり、自転車法によってすべての自転車に登録が義務づけられています。罰則規定はないため、貼付率は七六%程度とのことでありますが、この防犯登録番号を周囲から見やすく表示する、いわばナンバープレートとすることで、自転車利用の安全性が高まるのではないか、そして、利便性が高まるのではないか、導入を検討するべきではないかと考えます。所見を伺います。
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 次に、歩道のバリアフリー対策について伺います。
 平成十二年、東京都福祉のまちづくり条例が施行されて以降、まちづくりのさまざまな場面でバリアフリーの考えが定着してきています。
 道路については、特に高齢者などの利用を考え、歩道は勾配が緩やかなセミフラット形式が都道の新設や拡幅工事において採用されてきていますが、既設の都道についてもセミフラット形式をさらに推進すべきと考えますが、所見を伺います。
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 次に、アニメ・アーカイブ事業について伺います。
 世界で放送されているアニメの六割は日本製といわれています。その日本のアニメ制作会社の八割は東京に集積しています。都は、平成十三年度から東京国際アニメフェアを開催するなどアニメ関連産業の振興、人材育成に取り組んできました。その一環として中野区の旧労働資料センターの四階において、私も六月に視察しましたが、アニメ制作会社からアニメ制作に係る貴重な資料等の提供を受け、収集、整理、保管を行うアニメ・アーカイブ事業を実施しています。
 これらの文化遺産ともいえる貴重な資料等は、都が保存を支援しなければ廃棄されていたものであり、まことに意義のある重要な事業だと考えます。そこで、現在までの取り組み実績について伺います。
 他方、アニメの制作現場では、動画部門の海外移転や技術革新が進むなど、急激な変化が起きており、従前の先輩が後輩を個別指導するような人材育成が難しくなってきています。そこで、収集した貴重な資料は将来のアニメ産業を担う人材育成などにも活用すべきだと思いますが、今後の方策について伺います。
 また、この施設においてぜひ貴重な資料の一部でも常設展示することを要望します。
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 次に、都営地下鉄の安全対策について伺います。
 十月二十三日に発生した都営大江戸線の停電事故について、当日現場に居合わせた者の一人として二点伺います。
 停電の発生は朝のラッシュ時の八時八分、その十二分後には新江古田駅の手前二百メートルに停止した列車から乗客の救出を始めています。避難誘導マニュアルに従い、運転席前方の非常扉から避難させたことは判断として間違いではなかったと考えます。
 しかし、一千三百人、最後の乗客の救出まで二時間もかかったのは改善が必要です。今回の事故を受けて、今後の避難誘導時間の短縮についてどのように考えているのか、伺います。
 今回の事故では、多くの警察、消防関係者が出動し、私も心強く思いました。今後同じような事故が発生した場合、避難誘導を含め、交通局と警察、消防が連携を強めていくことが重要です。取り組みについて伺います。
 以上をもちまして、質問を終わります。

   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君)
 吉田康一郎議員の一般質問にお答えいたします。
 子育て支援の推進についてでありますが、次代を担う子どもたちの健やかな育ちを支えることは親だけではなくて社会全体の責務であると思います。都は、これまでも大都市特有の保育ニーズに対応した認証保育所の創設などに取り組んできました。これに加えて、現在、仕事と家庭生活の両立が推進されるよう企業の取り組みを支援しております。
 今後、子育て応援とうきょう会議を活用しながら、社会全体で子育てを支援していくムーブメントを巻き起こし、子育ての喜びを真に感じることのできるような東京にしていきたいと思っております。
 しかし、肝心なことは、人間が結婚し、家庭で子どもを持つという人間社会の進展のために基本的な価値観の問題じゃないかと思います。これをどうやって培っていくかということは、もはや金目の問題で済まない、もっと基本的な多岐にわたる試みが必要じゃないかと思っております。
 他の質問については警視総監及び関係局長から答弁いたします。

   〔警視総監矢代隆義君登壇〕

○警視総監(矢代隆義君)
 自転車防犯登録の表示についてお答えいたします。
 自転車の防犯登録については、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律において、国家公安委員会規則の定めるところにより都道府県公安委員会が指定する者が行うこととされておりまして、都内では東京都自転車商防犯協力会が指定され、その業務を行っております。
 自動車やオートバイのナンバープレートのような形で防犯登録の番号を表示させることは、議員ご指摘のように、自転車の盗難防止や安全な利用に資するものと考えますが、そのためには自転車の構造の変更や新たなプレートの作成、防犯登録情報の管理等、新たな措置が必要であります。このような形で防犯登録番号の表示義務を課すことは、自転車利用者に新たな負担を課すものであり、法令の改正が必要であります。
 また、新たな義務を課すこととした場合、その担保措置が必要でありますが、現行の法律では、防犯登録自体、登録しなかった場合の罰則は規定されておらず、義務の履行を法的にどう担保するかという検討も必要であります。
 このような諸条件を考えますと、ご提案のような制度を導入することはなかなか困難であるかと思われますが、今後自転車の利用者その他関係者の意見を踏まえ、制度的な対応が可能かどうか、関係向きと協議してみたいと考えております。

   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君)
 子育て支援に関しまして六点についてお答えいたします。
 まず家族関係社会支出の対GDP比、合計特殊出生率及び両者の相関関係についてであります。
 OECDでの調査によれば、二〇〇三年のOECD基準の家族関係社会支出の対GDP比はスウェーデンが三・五四%、フランスが三・〇二%であり、日本の〇・七五%と比べて四倍以上であります。
 また、合計特殊出生率は二〇〇六年でスウェーデンは一・八五、フランスは二・〇〇であり、日本の一・三二と比較して一・五倍程度であります。
 なお、最近の合計特殊出生率の推移で比較すると、スウェーデン及びフランスの上昇幅は日本よりも大きくなっております。

 次に、東京都の合計特殊出生率についてであります。
 平成十八年の出生率は一・〇二となっております。出生率が低いことの直接的な原因は、未婚率の上昇、晩婚化などが考えられます。こうした現象の背景には、価値観の多様化や子育てに対する負担感の増大などの要因が指摘されております。

 次に、財源の確保についてでありますが、都では地域における子育て環境の整備やワークライフバランスの実現のため、子育て支援に対する財源確保を国に対して提案要求しており、今後も引き続き要求してまいります。

 次に、子どもの数についてでございますが、出産は個人の価値観や人生観に深くかかわるものであり、行政の関与にも限界がございます。しかしながら、子どもを産み育てることを望む人たちが、安心して子育てができ、次代を担う子どもたちが健やかに成長していく環境を整備することは必要でありまして、行政を初め社会全体で取り組むべき課題であると考えております。

 次に、子育て家庭に対する支援についてでございますが、子どもたちを健やかに育成するためにはすべての子育て家庭への支援策を推進していくことが重要であります。このため、都では、一時保育などの在宅サービス事業のほか地域の相談拠点である子ども家庭支援センターや親同士の交流を目的とする子育てひろば事業などすべての子育て家庭のニーズに対応したサービスの提供に努めております。

 最後に、保育の要件についてでありますが、国は認可保育所における保育の実施基準として児童の保護者が昼間の就労を常態としていることなど保育に欠ける要件を規定しております。しかしながら、保護者の就労形態が多様化し、社会、地域、家庭の状況が大きく変化してきている中、この要件は大都市特有の保育ニーズにこたえ切れておりません。このため、都は、認証保育所を創設するとともに、国に対し、保育に欠ける要件の見直しのほか、施設と利用者との直接契約や施設による保育料設定など、保育所制度の抜本的な改革を提案しているところでございます。

   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君)
 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、河川における親水空間の整備についての基本的な考え方でありますが、河川の整備においては、治水機能を確保しつつ、地域の特性や周辺状況に応じて、にぎわいのある緑豊かな水辺空間を創出していくことが重要であります。
 例えば東部低地帯の隅田川などでは、水辺を散策できるテラスやまちづくりと一体となった緑の空間を生み出すスーパー堤防の整備を進めており、花火大会やレガッタなどのイベントにおいても、多くの人々が集い、にぎわっております。また、緑が多く残る多摩地域の鶴見川や平井川などでは魚など水辺の生き物にも優しい多自然川づくりを進めており、子どもたちが水遊びを楽しむなど自然と触れ合えるような水辺環境を創出しているところであります。

 次に、区部の中小河川における親水空間の整備についてでありますが、市街地を流れる河川は都市における水と緑の貴重なオープンスペースであります。
 都はこれまでも地元区などと連携し、河川の管理通路を緑化して遊歩道として活用するとともに、可能な箇所では水辺に近づける緩やかな傾斜の護岸を整備しているところです。
 こうした取り組みの結果、石神井川や目黒川などでは、桜の季節を初め多くの都民が川沿いの散策を楽しんでおります。
 今後とも神田川や妙正寺川など、市街地の河川整備においては地元区と連携し、公園などの川沿いの公共用地の活用を図り、水辺景観を向上させ、人々が憩いにぎわう親水空間の創出に努めてまいります。

 次に、海岸保全事業の取り組みについてでありますが、国土を保全し、島民の命と暮らしを守るため、台風や季節風などによる波浪から海岸の浸食を防止することは極めて重要であります。このため、都は波浪被害のおそれの高い地域や海岸の浸食が著しい伊豆諸島などの二十六海岸を海岸保全区域に指定し、護岸や人工リーフなどの海岸保全施設の整備を進めております。
 また、伊豆・小笠原諸島の海岸保全区域以外の一般公共海岸については、平成二十五年度完了を目標に、現地踏査や航空測量による地形や土地利用状況などの調査を進めており、浸食状況の把握に努めております。今後とも財源の確保に努め、着実に海岸保全事業を進めてまいります。

 次に、都立公園における改修についてでありますが、都はこれまで社会経済状況の変化などに伴う都民のニーズに対応して、公園の魅力向上や安全で快適な公園づくり、防災機能の向上などの観点から、計画的に施設の改修に努めてまいりました。例えば上野恩賜公園では、歴史的な景観に配慮した樹木の再配置、園路の段差解消などのバリアフリー化、わかりやすい案内サインの設置など、再生整備に取り組んでまいりました。
 また、震災時の防災拠点となる城北中央公園などでは、ヘリコプターが安全に離着陸できる広場の改修や、大型車両に対応した出入り口の拡幅など、救出救助活動拠点としての改修を行ってきたところです。
 今後ともそれぞれの都立公園に求められる魅力や機能の向上に向け、公園の改修を着実に進めてまいります。

 次に、安心・快適に利用できる公園づくりについてでありますが、日比谷公園を初めとする歴史ある公園において、その基本となる設計思想を生かしながら、さまざまな世代の人々に親しまれ、より安心して快適に利用できるように公園を改修していくことは重要であります。
 例えば日比谷公園においては、入り口などの段差解消、車いす利用者や高齢者が使いやすいトイレへの改築や園路灯の改修を図るなど、安心して利用できる施設整備に努めてまいりました。また、来園者が公園の景観を楽しみながら快適にくつろげるよう、公園のシンボル的空間である大噴水や花壇の周りに思い出ベンチを設置してまいりました。
 今後とも都民の声も受けて必要な施設の改修などを行い、歴史ある公園を一層魅力あるものにしてまいります。

 次に、都道における自転車走行空間の整備についてでありますが、自転車は近距離の移動にすぐれるとともに、環境への負荷の少ない都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者と自転車がともに安全で快適に通行できる空間の整備は重要であります。
 このため、これまで多摩湖自転車道などの自転車道を整備するとともに、有効幅員が四メートル以上の広い歩道を活用して、自転車が走行する部分をカラー舗装により視覚的に分離するなど、モデル地区を定めて自転車走行空間の整備を進めているところです。
 今後も既存の広い歩道を活用した整備をモデル地区において推進するとともに、区部の環状六号線や多摩の調布保谷線など、道路の新設や拡幅に合わせて安全で快適な自転車走行空間の整備に努めてまいります。

 最後に、歩道のセミフラット形式の推進についてでありますが、都はこれまでバリアフリーの考え方に基づき、さまざまな方法で歩道の段差や勾配の改善に取り組んでまいりました。このうちセミフラット形式の歩道は、車道との高低差が少なく、すりつけ勾配が緩やかになるため、高齢者や障害者などの移動に有効な構造であり、道路の新設や拡幅工事において、現在は原則としてセミフラット形式を採用しております。
 既設の都道における車道や歩道の改修の際にも、沿道住民の理解と協力を得て、セミフラット形式を積極的に採用し、安全で快適な歩行空間の確保に取り組んでまいります。

   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君)
 三点のご質問にお答えいたします。
 まず希少野生動植物のリストである、いわゆるレッドデータブックの改定についてでございますが、東京都版レッドデータブックは、平成十年に希少野生動植物の保護を図っていくことを目的に策定いたしました。
 前回の策定から一定の年数が経過している中、希少野生動植物の生息、生育状況も変化していると考えられますので、現在レッドデータブックの改定に向けて検討を進めております。

 次に、都民等からの情報提供の仕組みづくりについてでございますが、希少野生動植物に関する情報提供を広く都民等に呼びかけることは、レッドデータブックの精度をより高めていく上で有益だと認識しております。
 次回の改定に向け、文献調査、研究者等からの聞き取り調査、必要に応じた現地調査に加え、現在都民等から希少野生動植物に関する情報提供を受ける仕組みの構築についても検討しており、これら多様な取り組みにより都内の希少野生動植物の情報把握に努めてまいります。

 最後に、自転車の利用促進についてでございますが、自転車は環境に優しく、都民に身近で便利な交通手段であることから、都は、これまでTDM東京行動プランに基づき自転車道の整備など自転車活用対策を実施してまいりました。
 現在、環境審議会において世界で最も環境負荷の少ない先進的な環境都市の実現を目指し、自動車に過度に依存しない交通行動への転換についても議論されております。
 こうした議論を踏まえ、自転車利用の促進が図られるよう検討するとともに、今後、自転車活用対策の進捗状況を適宜取りまとめ、都民に周知してまいります。

   〔主税局長熊野順祥君登壇〕

○主税局長(熊野順祥君)
 環境税についてでございますが、東京都税制調査会の平成十九年度の中間報告は、環境問題は広域的な問題であるが、都市生活と密接な関係を有しており、エネルギーを大量に消費する東京が、税を含め、国に先駆けた取り組みを進めていく意義は大きいとしております。その上で、都独自の環境税制については、揮発油税など既存の税制との整合性、課税の公平性、税収の使途などの課題もあり、さらなる検討が必要としております。環境税につきましては、東京都税制調査会において、環境負荷を基準とした課税の仕組みや負担のあり方など、幅広い角度から引き続き積極的な検討をお願いしたいと考えております。

   〔港湾局長斉藤一美君登壇〕

○港湾局長(斉藤一美君)
 臨海副都心における自転車走行空間の整備についてお答えいたします。
 自転車は環境に優しく身近な乗り物でありまして、都市の中での有効な交通手段の一つと認識しております。臨海副都心では、これまでまちづくり推進計画に基づきまして安全で快適な歩行者・自転車空間を確保するため、ゆとりある幅員の歩道の整備や駐輪場の設置などによりまして、自転車が利用しやすいまちづくりを行ってまいりました。
 今後、自転車利用を促進するため、さらなる自転車走行空間の確保に向けた検討を進めていくとともに、地元区や臨海副都心の進出事業者で構成されますまちづくり協議会、交通管理者などとも連携して、自転車利用のルールづくりや利用者のマナー向上などの安全対策を図ってまいります。

   〔青少年・治安対策本部長久我英一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(久我英一君)
  自転車利用者のルール遵守等の普及啓発についてでありますが、都は、春と秋の全国交通安全運動や自転車の安全利用に関するあん・あん自転車TOKYOキャンペーン等により、自転車利用者のルールの遵守、マナーの向上に努めております。
 また、将来の交通社会を担う中学生、高校生に対する普及啓発を一層推進するため、現在、自転車交通安全教育マニュアルを作成しているところであります。
 自転車による人身事故の件数は十代から三十代の事故が全体の約半数を占めている実態も踏まえ、今後、自転車の安全利用に関するキャンペーン等の中で若者に対する意識啓発を強化してまいります。

   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君)
 アニメ・アーカイブ事業に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、取り組み実績についてでありますが、本事業はアニメの制作工程がアナログのセル画からデジタル方式に急速に移行する中で、貴重な資料や機材の散逸を防ぎ、その先人たちの知恵やわざを次代に残すことを目的としております。
 現在までにアニメ制作工程における絵コンテ、原画、セル画など十四社から三万点以上の資料提供を受け、整理、保管をしております。

 次に、人材育成などへの活用についてでありますが、アニメ産業の発展には作品をつくり出す若手クリエーターの育成が重要であります。このため、収集した資料の中から利用可能なものにつきましては、著作権者と調整の上、人材育成への活用を検討しているところであります。

   〔交通局長島田健一君登壇〕

○交通局長(島田健一君)
 大江戸線の停電事故に関します二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、避難誘導時間の短縮についてでございます。今回の停電事故の後、交通局では直ちに安全対策推進委員会を開催し、原因の究明と対応策の検討を行い、その内容を過日公営企業委員会に報告したところであります。
 今回の事故の際は安全を第一とし、規程に従いましてお客様には列車前面の非常扉からはしごを使い、降車していただきましたが、今後は事故の状況によりまして、複数箇所からの降車も検討し、避難誘導時間の短縮に努めてまいります。
 具体的には後続列車の安全を確認後、列車後部からの降車、また、スペースが許せば、列車側面からの降車、さらにはホーム上へ複数のはしごを使った避難誘導方法等について検討してまいります。

 次に、事故時における交通局と警察、消防との連携についてであります。今回の停電事故では、警察、消防関係から多数出動いただき、避難誘導や車内で気分の悪くなったお客様の救助救急活動等を行っていただきました。
 交通局では日ごろから警察、消防と連携を図ってきたところでありますが、今回の事故を踏まえまして、実践的な訓練を積み重ねていくなどして、さらに連携を強めてまいります。

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