平成19(2007)年9月13日
都市整備委員会
吉田委員
私からも質問をいたします。
東京を含む南関東では、マグニチュード七程度の首都直下型地震が、今後三十年以内に約七割の高い確率で発生するといわれております。
しかし、その予知が現在のところほとんどできないということでございますので、都民の心配も大変に高いということから、都民に都の取り組みをより理解していただくという意味で、大地震がいつ、どこで起きても都民の命をちゃんと守っていくという観点で避難場所を指定しているという状況について、二点お伺いをいたしたいと思います。
まず、二十三区全体の一人当たりの避難有効面積は、人口割りの平均でいくと約三平方メートルに達しているのじゃないか、こういう認識をしておるのでございますけれども、一人当たりの避難面積が、この陳情者の方のいう国の基準である二平方メートルというものに満たない地域というのは一体どこなのか、お伺いをいたしたいと思います。
宮村市街地整備部長
先ほどもご答弁申し上げましたけれども、国からは避難場所の一人当たりの面積について明確な基準は示されておりませんけれども、東京都は、先ほども申し上げたように、防災の専門家で構成する調査検討委員会の意見を聞きまして、区部全域の人々の一斉避難を前提に、一人当たり一平方メートルで避難距離が三キロ未満ということを原則にしまして、安全な避難場所を指定しております。
現行の避難場所の指定におきましては、二十三区平均の一人当たり避難有効面積は約三平方メートルでございますが、避難有効面積が一人二平方メートルに満たないところは、主に山手線から環状七号線の間に位置する木造住宅密集地域を中心としたエリアでございます。
吉田委員
ありがとうございます。
中野区の一部も含んだ木造住宅密集地域、都心というよりは周辺区部、このベルト地帯を中心として二平方メートルが確保できていないのだという状況でございますけれども、できれば、将来に向かっては、避難距離を長くしない前提で少しでも広い避難場所が確保できるように努力を払っていただきたい。これはお願いを申し上げます。
そして次に、避難場所と買い物客などの関係についてお伺いいたします。
避難場所の計画人口には、地域住民及び通勤通学者が含まれていますけれども、買い物客などは含まれていないと理解しております。この買い物客などが避難場所の計画人口に含まれていない理由について、お伺いをいたします。
宮村市街地整備部長
避難場所の避難人口は、国勢調査に基づき推計した昼間人口と夜間人口を比較し、大きい数値を採用して安全な避難場所の指定を行っております。
昼間及び夜間人口に含まれない買い物客などの避難は、最初にご説明もいたしましたけれども、東京都地域防災計画において外出者対策として位置づけられており、帰宅可能となるまでの間、区市町村が公共施設等に誘導、一時収容するなどの対策が講じられております。
吉田委員
買い物客などの避難は、区が公共施設等に誘導、一時収容する計画となっていて、地震火災から地域の住民などを保護する避難場所へ避難させる、この避難とは別に計画されるということは理解をいたしました。
しかし、実際に震災が起きたときに、パニック状態の方々が適切に避難あるいは一時収容ということができるように、これは局が違いますけれども、各局をまたいで、区が円滑に避難の誘導ができるように、改めて都が協力していただけるようにお願いを申し上げます。
先ほどご答弁をいただきました、現状で避難場所が少ない地域では、一人当たり二平方メートルの避難面積を確保しようとすると、例えば私のおります中野区の人に、練馬区の光が丘公園など遠くの避難場所まで避難していただく必要が生じて、高齢者などの避難をより困難にするという別の心配もあるということ。これも先ほど川井理事からご質問がございましたけれども、避難距離を今よりも長くしないで一人当たり二平方メートルという避難面積を確保することは、今は無理であって、まさにあす震災が発生したならば、どこに避難してもらうのがいいのかという意味では、現行指定を今すぐ変更することはできない。こういうことで理解をいたしますので、本陳情は不採択とせざるを得ないと考えますけれども、都民の皆様のご懸念、ご心配、こういうことを都においても一層考えていただいて、より安全な避難場所、これをより遠くに行かないで済むというところで確保していただくということについて、今後とも真剣に取り組んでいただくことをお願いいたしまして、質問を終わります。