平成19(2007)年6月7日
都市整備委員会
〇吉田委員
私からも、六町地区の土地区画整理事業について何点かお伺いをいたしてまいりたいと思います。
若干、川井理事のご質問と重複する部分もあるかもしれませんが、論旨をきちんと明確にするという意味からも多少の重複をご容赦いただければとも思います。
まず最初に、この六町地区の土地区画整理事業について、この目的と施行の順序、これについてお伺いいたします。
〇宮村市街地整備部長
六町地区の区画整理事業は、つくばエクスプレスの導入空間を確保し、新駅を中心とした地域の拠点の形成を図ることなどを主な目的として施行しております。
具体的には、六町駅周辺に商業、業務機能を導入するなど土地利用状況を再編し、同時に都市計画道路や公園等の都市基盤を整備し、良好な住環境を備えた利便性の高い市街地の形成を図ることとしております。
また、施行順序につきましては、平成十三年二月に換地の位置、形状を発表した際に、あわせて地区全体を前期、中期、後期に区分してお示しをいたしました。その後、十八年六月に、仮住まい期間をできるだけ短縮する観点から地区全体の施行手順を見直し、平成二十二年度までに移転する予定の区域及び二十三年度以降に移転を予定する区域を、AからEの五ブロックに区分してお示しをいたしたところでございます。
〇吉田委員
わかりました。
それでは次に、今回の請願者でございます足立のグリーンプロジェクトのやっておられる六町エコプチテラス事業とはどういう事業なのか、また、この事業がどのような経緯で始まったのかをお伺いいたします。
〇宮村市街地整備部長
六町エコプチテラス事業は、先ほどもご答弁いたしましたが、平成十四年十月、都市緑化の推進などを目的といたしまして、足立区が区画整理事業のために取得した土地を暫定利用して始めた事業でございます。
足立区は当該事業を区のまちづくり公社に委託しており、請願者である足立グリーンプロジェクトは、まちづくり公社との協定に基づきまして六町エコプチテラスの維持管理を行っております。
なお、六町エコプチテラス事業が開始されました平成十四年十月において、前年二月に発表した換地設計によりまして、当該地が六町神社の移転先となっているということは既に知られておりました。また、この六町エコプチテラス事業は、区画整理事業の施行者に事前の相談はなく始められたものでございます。
〇吉田委員
今のご答弁は、このエコプチテラス事業が、初めに協定が結ばれる当初からここが将来六町神社の土地になるということがきちんと公表はされていたということと、それからこの施行者である東京都に事前には連絡、相談なく、足立区とそれからこの足立グリーンプロジェクトの方々で協定を結んで、都は後からそれを知ったんだということだというふうに理解をいたしました。
続きまして、この六町エコプチテラス事業というのは、国土交通省の認可の団体でございます財団法人都市みらい推進機構が主催をする、平成十八年度土地活用モデル大賞で審査委員長賞を獲得した、あるいはNHKで放映された「難問解決!ご近所の底力」、これはなかなか視聴率がある番組でございますが、この番組のヒートアイランド現象への対策を考える「我慢できない!夏の猛暑」という回において、これは二〇〇四年八月五日に初めの放送、そして二〇〇五年七月二十八日に再放送された、二度にわたって放送されたという番組でございますが、この中において、この分野の学識経験者でございます首都大学東京の三上岳彦教授による測定と分析なども含めて、このエコプチテラス事業というのがヒートアイランド対策、その他地域コミュニティづくりに大変に大きな成果が上がった事業だという評価を得ているという事実がございます。
これは基本的には足立区の行っている事業ではございますが、このような実績を上げているこの事業について、東京都はどのように認識を持っておられるのかお伺いいたします。
〇宮村市街地整備部長
六町エコプチテラス事業が緑化推進を行ってきたことにつきまして、土地活用モデル大賞で審査委員長賞を受賞したことについては承知をしておりますが、これはあくまでも区が取得いたしました区画整理事業用地を暫定活用したことによる受賞であるというふうに理解をしております。
〇吉田委員
次に、今回六町神社の移転、これは当初の計画がどういう計画であったかも含めて、早期に移転することになったという認識があって、今回の請願が出ておるわけでございますが、この早期に移転をすることとなった理由についてお伺いをいたします。
〇宮村市街地整備部長
土地の寄進を受けることで神社の敷地が広がり、地域活動の拠点として一層の役割が期待できることや、氏子代表及び地権者の代表で構成される審議会委員から早期移転の要望が出されていることなどを理由に、六町神社を早期に移転するものでございます。
なお、平成十三年に施行順序を発表した時点では、六町神社付近は十七年度までに移転を予定している区域に属しておりました。その後、平成十八年に見直した施行順序をおおむねの目安として示しましたが、それまでと同様、ほかにもあるわけですが、周囲の条件によってはこの順序にとらわれず部分的な移転の可能性があることをあわせてお知らせをしております。
〇吉田委員
これに関連しまして、六町神社以外にも移転時期を早めるというような例外的な部分的な移転というか、ピンポイントの移転というか、例外的な扱いをした事例はほかにあるのかどうかお伺いをいたします。
〇宮村市街地整備部長
主なものとしましては、六町地区の区画整理施行地区内では、これまでに二階建て街区及び共同住宅街区にそれぞれ希望する権利者の換地を集約しており、いずれも従前地付近の移転時期にかかわらず、早期に移転をしております。
〇吉田委員
いろいろと経緯がわかってまいりました。
では、このいろいろの六町神社の例外的な扱いをしたというか早期の移転、これについて、今回の請願者でございます足立グリーンプロジェクト、こちらへの説明の経緯、どのようなご説明をされてきたのか、こういうことについてお伺いいたします。
〇宮村市街地整備部長
これまで六町エコプチテラス事業につきましては、事業者であり土地所有者でもある足立区に対して説明を行うなど、地元区への対応を基本としてまいりました。また、区のまちづくり公社との協定によれば、プチテラス事業は区画整理事業の支障にならない範囲で一年ごとに更新することとなっております。このため、六町神社の移転につきましては、本年十月の協定更新時期を念頭に置きまして、昨年十二月に説明を行ったところでございます。
〇吉田委員
十二月に説明をされたということでありますが、いろいろの経緯等について、請願者の方々には少なくともいろいろな情報がきちんと伝わっていなかった、こういうことがあると思います。
まず、この平成十三年の段階で、神社周辺は十七年度までに移転するという予定であった。こういうことについて、都は、区にはあるいは関係者には説明をしていたかもしれませんけれども、少なくとも私がお聞きをした範囲では、この請願者の方々にはこれは認識がされておりませんでした。
そしてさらに、この平成十八年六月の施行順序の見直し、この六町神社の換地後の移転地、ここはCとDブロックというところに入るところであるかと思いますけれども、ここは平成二十三年度以降に実施をする予定のところ、しかし、この神社に関してだけは早目に移転をするんだと内々に考えていたというような意向についても、これはきちんと周辺の住民の方あるいはこの請願者の方々にはきちんとご説明もなかった、このように認識をしております。
そしてさらに、十二月等に説明をされたということでございますけれども、非常にこの説明が、都と区とで説明が、あるいは説明の前提となるこのプチテラス事業への評価、認識、こういうものが大きく異なっている上に、都の現場の説明が不誠実かつ事業の意義を全く認めてくれていない、このようにこの事業を行っている方々から受けとめられているということも、これは事実であって、そのためにこういう請願が出てきているんだろうと思います。
私自身は、もちろんこの神社、これが、地域における役割、私自身もみこしを担いだりいろいろの地域活動をさせていただいております。
神社の境内でいろいろな催し物がされている、それが地域活動の大変重要なコアとなっている、あるいは地域の方々の心のよりどころとなっている、これは大変に大切なことだ、このように思っている一人であります。
しかし、それと同時に、このプチテラス事業を行っていらっしゃる方々、この方々が暫定的な土地利用の中でやっていらっしゃる活動の内容、そしてそれをやっていただいている中での思い、これもまた大変に大切な活動をしていただいているんだな、このようにも認識をいたしております。
日本では余り有名ではありませんけれども、コミュニティガーデン、こういう考え方、例えばイギリス、あるいはドイツではこれがクラインガルテン、あるいはオランダではホルクスガルテンというんでしょうかね、あるいはスウェーデン、デンマーク、フランス、さまざまな地域において、業としての農業ではなくて、都市生活者の人たちがみずから農園あるいは環境活動をすることによって、地域コミュニティ、こういうものを、また神社に集うのとは別な形で形成をしていく。
そして良好な景観を形成、維持していく。
そしてヒートアイランド現象、そういうものを緩和していく。
あるいはここの場合は生ごみの削減、こういうようなことにも効果を持っている。そして食べ物も含めた環境教育、こういう場にもなっている。
そしてさまざまな立場の方々の居場所づくりにもなっている。
そして防災機能も果たしている。
さまざまなメリットがあることで、諸外国ではこのコミュニティガーデンという活動は、国を挙げていろいろと支援をしながらやっている、こういう活動でありまして、そのために先ほど申し上げたような表彰をされたり、あるいは公共放送が、すばらしい活動だ、このように評価をして全国に二度にわたって放送する、こういうことでございます。
そういう意義を東京都としても多分きちんと認めているからこそ、東京都あるいは都市整備局としても、平成十二年の十二月には緑の東京計画、あるいは平成十八年の一月にはみどりの新戦略ガイドライン、こういうものを策定をされまして、都だけではなくて、区市町村ともあるいは地域住民ともNPO等とも協力をしながら、緑をふやしていくんだ、こういう活動を一生懸命にやっていただいている。
そして石原知事は今般の「十年後の東京」、こういう中においても、新たに千ヘクタールぐらいの緑をふやして東京を緑あふれる都市にしていかなければいけないんだ、こういう東京都の思いと、今このエコプチテラスの方々が一生懸命に活動されている内容というのは、まさしく同じ目的のために頑張っていただいているわけでありまして、東京都はきちんとこの方々の活動を評価した上で、しかし、神社、こういうこともとても大切だな、こういう丁寧なご説明をきちんとしていただかなければならない、このように思う次第でございます。
これまでのいろいろと東京都の担当の部局の方々とやりとりをさせていただいた中で、この本庁のご担当の方々は大変にそういう思いを持っていらっしゃる。
もちろん現場でも持っていらっしゃるんでしょうけれども、その思いがこの請願をされた方々に、はっきりいえば全然届いていない。
もうちょっときちんとした丁寧な説明を、東京都は足立区とともにしなければいけないと思います。
これはテープ起こしをしたわけではありませんので、表現は不正確かもしれませんけれども、東京都のご担当の方が、この場所を神社移転のためにあけてくれというご説明をする中で、ここは空き地なのでというご説明をされていたところ、足立区のまちづくり公社の方々はそれを遮ってというか、それに対して、ここは足立区プチテラス設置要綱に基づく区の公共施設です、ただの空き地もしくは近隣住民が自分たちの楽しみで畑をやっているというようなところであれば公務員である我々が支援することはありません、ここは協働の先進事例であって極めて公共性の高い公共施設だと認識しているんです、このようにご説明もされている、こういう事業であります。
きちんとしたご説明とプロセスがあれば、私は今回の早期移転撤回、このような形ではなくて、皆様が−−もちろん神社も大事です、そしてこういう環境コミュニティガーデン、こういうことも、これはもうただ物をつくればできるということではなくて、営々と皆様が集って時間と労力をかけて、そしてつくっていかなければ維持できないボランタリーな活動であります。この両方が両立するような、両立したいなという気に地域の合意がとれるようなご説明がなかったことを大変残念に私は思っております。
そういう意味におきまして、このエコプチテラスの事業の意義を、東京都都市整備局としてはどういうふうに理解しているのか。
先ほど申し上げた、緑の東京計画やみどりの新戦略ガイドライン、あるいは知事の緑をふやそうという方針、こういうことについて、あるいはそれをここに落とし込むとどのようなご見解になるのか、この二点についてお伺いをいたします。
〇升都市基盤部長
緑の倍増ということのご質問について、まずお答えをさせていただきます。
東京都の計画に矛盾するのではないかということだと思いますが、都市における緑化の推進というものは、先ほどの議論の中でも新たな緑の創出も起こるというお話もございました。そういうようなさまざまなまちづくりの中で、創意工夫をしながらつくっていくものだというふうに私ども考えております。東京都としても、「十年後の東京」に示したように新たな目標等も示しております。そういう中で努力をしているところでございます。
ただし、今回、そのような具体的な展開ということに対しては、それぞれの地域の特色というものや事業の特性というものを踏まえて、総合的にバランスをとって取り組むことが大切だというふうに認識しておるところでございます。
〇宮村市街地整備部長
六町エコプチテラスにかかわる説明について答弁をさせていただきます。
先ほども答弁をいたしましたけれども、基本的にはこの事業については、区画整理事業を実施する上でのさまざまな説明を行ってきた経過としましては、権利者である、土地の所有者である足立区に対して説明をして、それが基本だというふうに考えております。ただ、もちろん区から要請もありましたので、このグリーンプロジェクトの方とも会って、現場の方で説明をしております。ただ、確かに十分納得されなかったかもしれませんが、説明をしていないとか、そういうことはございません。
これも最初、先ほどのやりとりの中でありましたけれども、私どもはこのエコプチテラス事業が始まる時点では承知していなかったわけですが、後で活動が始まってから聞いたわけです。その時点で、将来いろいろ問題にならないように、心配だったですから、区とも話をしましたけれども、足立区の方では、基本的には一年契約で、必要なときには更新ができるというご説明を受けましたので、私どもはそういうことで理解をしていました。したがって、昨年十二月にご説明をした際も、そういう反応があるというのは、現実、現場としてはびっくりしたのかなという気もしますけれども、いずれにしても、ご理解いただくような努力はその後もいろいろ文書のやりとりの中でしたり、接するところでしたりということでやってきたつもりではございます。
基本はあくまでも足立区だというふうな立場で改めてお話を申し上げて、私の答弁を終わります。
〇吉田委員
ありがとうございます。
再確認というか、お聞きをしたいんですけれども、これまでのご説明ということが不十分であったという、あるいはきちんと納得いくような形でのご説明でなかったということでございますので、今後とも引き続き丁寧に足立区と協力してご説明をいただきたい。(発言する者あり)
そして、これは都市整備局ではなくて環境局の所管かもしれませんけれども、環境局の方では、東京都環境基本計画、それから新戦略プログラムというものを策定して公表している中で、まちのすき間緑化プロジェクトにおいて、自治体や公社、NPO、こういう方々とともに連携をして、そして土地の所有者、使用者、あるいは緑化の実施の主体、こういう方と連携をして、すき間のような土地あるいは暫定的に利用する土地、こういうところの緑化を進めていくんだ、環境局の方では一生懸命にこういう活動もされているわけであります。ぜひ、この一般的な方針だけでなくて、ここも大変に意義ある活動をされている、営々と活動されてきた方々が、自分たちの活動は全然意義を、東京都という自分たちの自治体が評価してくれていなかったんだということのないように、きちんと彼らが引き続き高いモラル、そういうものを持って、例えば残地の部分だけでもぜひやってください、こういうようなことを東京都の側としていうべきであろう、このように要望申し上げて、私として、そしてこの請願者の方々の思い、この趣旨を採択すべきである、このように意見を申し述べて質問を終わらせていただきます。
〇宮村市街地整備部長
ちょっと補足をさせていただきます。
説明が不十分だというふうなお受け取りをされたようですが、私どもとしてはきちんと説明すべきことはしたというふうに認識しております。それが一点です。(発言する者あり)
〇秋田委員長
ご静粛にお願いします。
〇宮村市街地整備部長
もう一つは、さっきもちょっと申し上げましたけれども、この事業そのものは区の公社とその団体が協定を結んで行っておりますし、その協定自体の中ではっきりと区画整理事業に支障のない範囲で行うということがうたってありますので、そこを私どもとしては理解して、区ときちんとお話をしてきたというつもりでございます。