2006.06.19 : 平成18年財政委員会
〇吉田委員
私からは百七十号議案に関連して意見を申し述べます。
この議案は、長年不法占拠されてきた都有地を不法占拠者に時価の約二五%の価格で売り払うというものであります。
このような条件で和解をするという背景には、不法占拠状態にあった都有地について、その不法占拠の状態を解消、適正化するために有効な手だてを数十年間にわたり全く講じてこなかった、善意で十年、悪意で二十年という時効の進行をとめるために必要な措置を何も講じずに、何十年も見て見ぬふりをして放置してきたという、東京都の信じられないような怠慢があったわけであります。
その結果、本件地に先立って処分された簡易住宅用地の住宅敷については、時価のわずか七%で払い下げることになり、本件地については、時価の約二五%という、やはり驚くような価格で売り渡すことになるという議案であります。
先日の委員会で申し上げたとおり、時価で売り払うというのならば何の問題もありません。しかし、税金が払えないために住みなれた土地を売らなければならないような人も数多くいる、そのようなつらく厳しいことを都民の皆様に耐え忍んでいただいている中で、都民全体の財産が、都の怠慢が原因で、信じがたい経緯と金額で不法占拠を続けた人のものになってしまうということは、絶対にあってはならないことであり、今後、このような怠慢は、過去にいかなる事情や経緯があろうとも、二度と許されないものであると考えます。
今現在、本件地以外の都有地で現に不法占拠が続けられ、時効が進行しているような土地がないか、財務局のみならず、他局にも働きかけていただき、また、区市町村にも働きかけていただき、総点検を行っていただいて、もしそのような物件があれば、必ず早急に適切な措置をとっていただかなければなりません。
このことを強く要望いたしまして、議案に賛成をいたします。
以上です。