平成24(2012)年9月28日
環境・建設委員会
〇吉田委員 よろしくお願いいたします。私からは、鷺宮調節池の整備の案件についてお伺いをいたします。
私の地元中野区では、平成十七年九月四日になりますが、一時間に一一二ミリという集中豪雨によりまして、神田川、妙正寺川沿川はみんなそうですけれども、甚大な被害を受けたわけであります。
このときに六千戸ぐらいの被害が全体で出たと思います。被害は極めて広範囲に及んでおりまして、私も当時は、沿川の方が腰まで水につかりながら家財道具を二階に移したりしているところを、非常に心を痛めておりました。こういうことから、私も積極的な治水対策を進めるように求めてまいったわけでございます。
妙正寺川においては、環七より下流域では、平成二十一年までに、河川激甚災害対策特別緊急事業によりまして、この区間では、それまでの一時間に三〇ミリから五〇ミリの降雨に対応できる護岸として完成をいたしました。
さらに、環七より上流域においては、この鷺宮調節池の事業を実施しているわけであります。この調節池の工事が進捗して、今回は、工事契約案件として調節池の人工地盤の工事に着手することになったということでありまして、大変にうれしいことであります。そこで、何点か質問をさせていただきます。
まず、この鷺宮調節池工事の進捗状況と整備効果について改めてお伺いいたします。
〇邊見河川部長 進捗状況についてですけれども、現在、調節池の外壁について施工が完了し、掘削作業を行っておりまして、工事の進捗率は約七〇%でございます。平成二十五年四月の取水開始を目指して工事を進めてございます。
調節池本体が完成し、取水が可能となりますと、妙正寺川の治水安全度達成率は一五ポイント上昇して七一%となります。
〇吉田委員 ありがとうございます。この調節池ができれば、効果は非常に大きなものであるということがよくわかりました。
ところで、ここ数年でも、都が実施する整備水準であります一時間に五〇ミリという水準以上の雨が降っているようですけれども、この激特事業を進めたことにより、安全性も高まっているものと思います。
そこで、この平成十七年九月以降、妙正寺川流域における集中豪雨の状況についてお伺いをいたします。
〇邊見河川部長 平成十七年九月以降では、平成二十三年八月二十六日に、妙正寺川流域の中野雨量観測所において一時間八二ミリ、鷺宮雨量観測所において七六ミリの降雨を記録するなど、集中豪雨が発生してきてございます。
なお、これらの雨による洪水の被害はありませんでした。
〇吉田委員 ありがとうございます。平成十七年以降でも八〇ミリを超えるような集中豪雨も発生していた、しかし洪水の被害はないと。これまでの整備で効果が発揮されているということが、また改めてわかりました。
しかし、平成十七年のような一一二ミリと、一〇〇ミリを超えるような強い雨が降ると、やはり沿川の方は心配であるわけで、調節池の早い時期の完成が待たれるわけでございます。
ところで、都が設置する調節池は地下式が多くて、流入した洪水の排水のために、ポンプ施設を設置する必要があるものが多いということであります。土地の制約もあり、これはやむを得ないことも理解できますけれども、深く掘ってポンプで排水をする、こういう方式ですと、建設時におけるイニシアルコストだけでなく、このポンプがあるということで、ポンプを動かせばもちろん、動かさなくても、その維持管理費がかかっていくわけであります。
もう皆さんご存じのとおり、日本も少子高齢化、また、国、地方の借金もふえている、なるべく後の世代の負担になるものは抑制したいと、かねてから維持費がなるべく抑えられるような事業をということを私は主張してまいったわけでありますが、この鷺宮調節池の事業において、取水した洪水をどのように排水する方式なのかお伺いいたします。
〇邊見河川部長 本来、調節池を設置する土地などの条件が整えば、自然流下による排水を行うことが理にかなってございます。本調節池でも、掘り込み式の調節池を採用したことによりまして、貯留した洪水は自然流下で排水できるよう設計してございます。
ただし、調節池下流の護岸改修が完成するまでの間、川底を掘ることができませんので、川底より低い部分の貯留分はポンプで排水することになります。
〇吉田委員 ありがとうございます。自然流下で排水できるようにと、メンテフリーというふうに設計していただいていると。
これ、護岸改修が完成するまではポンプで排水するということでございますので、この調節池下流の護岸改修が完成すれば、排水ポンプは要らなくなるということで、撤去するということでよろしいのかお伺いします。
〇邊見河川部長 自然流下で排水できることになるため、ポンプは撤去することが可能となります。
〇吉田委員 ありがとうございます。本当に要望をきちんと反映していただいている、酌んでいただいていると思います。
今回の契約案件である人工地盤を築造する工事が完成しますと、引き続き、中野区がその上部を多目的広場として整備することになっております。このような施設を整備するに当たっては、その多目的広場、スポーツとか憩いとかいろんな使い方をすることを私も聞いておりますが、この広場の出入り口のすりつけなどを工夫して、利用者にとって使いやすい施設とすることが大切であります。
これから高齢化も進むわけですし、国、東京都全体でのバリアフリーということもいっているわけでございますが、この周辺の地盤と、ここの人工地盤との高低差はどれぐらいあるのか。そしてまた、この人工地盤の上にはどれぐらいの重いものを載せられるのかという、どのような荷重を見込んでいらっしゃるのか、お伺いをいたします。
〇邊見河川部長 人工地盤は、中野区の基本計画によりますと、広域避難場所となる公園とすることから、周辺地盤とのすりつけについては、極力、高低差を生じない構造としてございます。
中野区と協議の上、平均約一メートルの盛り土や、例えば一部簡易な建物の設置などが可能となるよう、一平方メートル当たり平均約三トンの設計荷重を見込んでございます。
〇吉田委員 ありがとうございます。一平米当たり平均約三トンということであればいろいろ、今回の東日本大震災とか、何が起きるかわからない、いろんな状況で、いろんな使い方が、要請があったりするわけであります。平屋一階の仮設住宅ぐらいは建てられるんだなということがわかりまして、改めて安心をした次第であります。
本日は質疑をしませんけれども、なるべく川に近づけるような親水公園のような機能も付加していただいておりますし、今後とも中野区と連携をしていただいて、この調節池が、まず安全で、そして快適なまちづくりに役立つよう、ぜひ早急に整備を進めていただきますよう改めてお願いをし、質問を終わります。ありがとうございます。