中野区は、東京都内の自治体で、唯一、都立の緑地がない自治体です。
ここでいう「都立の緑地」とは、都立公園、海上公園、都立墓苑を指します。都立公園も海上公園もない自治体は、都内では中野区と豊島区だけですが、豊島区には雑司ヶ谷墓苑がありますので、都立公園も海上公園も都立墓苑もない自治体は、都内で中野区だけなのです。
中野区民が払う都税は、中野区以外の都の緑地の維持管理や拡張事業に使われているのです。
中野区は、我が国国内でも最も人口一人当たりの緑地面積が狭い自治体の一つであり、防災上も脆弱な自治体だと認識されています。
火災・水害等の防災拠点や避難場所として、また普段の憩いの場として、都立公園の機能は重要です。
私は、都議会議員時代から主張してきましたが、中野区に、都内最後の都立公園として、妙正寺川・神田川沿いに、「都立妙正寺川・神田川公園」の計画と設置を進めたいと考えています。
民地を無理やり立ち退かせようと言うのではありません。進めば少しでも早く、進まなければ、20年、50年、100年かけて、ゆっくりと緑地を広げていきたいのです。
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平成24(2012)年3月15日、東京都議会予算特別委員会における吉田康一郎質疑
〇吉田委員
公園の計画についてお伺いいたします。
東京都のみどり率、緑被率は、資料99号にあるとおり、平成十五年から二十年にかけて、区部でも多摩でも減っております。
近年のヒートアイランド現象や、局所的な集中豪雨など、都市に猛威を振るう自然災害は、緑の減少が原因の一つといわれています。都市に残された貴重な緑を守り、公園や緑地を創出することで水と緑のネットワークを形成していくことが、環境や防災面からも都の重要な課題であります。
昨年十二月に都が発表した「二〇二〇年の東京」は、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の復活を目標に掲げ、同じく昨年十二月に都と区市町が改定した都市計画公園・緑地の整備方針は、安全、快適で緑豊かな、さらに成熟を遂げた都市東京を実現していくとする中で、東日本大震災を受けて防災の観点を大変重視しており、高く評価しております。
都全体で都市計画決定されている公園緑地は、約一万八百ヘクタールであり、現在供用されているのは約四千九百ヘクタールです。こうした現状を一人当たりの公園面積で見ると、ロンドンが二十六・九平方メートル、ベルリンが二十七・九平方メートルであるのに対し、東京都全域では五・七平方メートルにすぎません。そして実は、現在計画されている公園等がすべて供用されたとしても、一人当たりの公園面積はわずか十平方メートル程度であります。
国が定める標準の面積が十平方メートル以上であるということは承知しておりますが、首都東京としてロンドン、ベルリンの半分にも満たないこういう状況、東京が世界の公園水準に近づくために、新規公園の計画についても考えていくべきだと思います。
もちろん、市街化が進んだ東京において、新規の大規模公園をむやみに計画していくことは、整備の費用や効果などの点で現実的ではありません。私は木密地域での中小河川沿いこそ、新規公園を整備するべきであると考えます。
木密地域の災害時の脆弱性については、皆様に説明する必要はありません。そして、ここを流れる中小河川は、豪雨時にはんらんするおそれがあるわけです。こうした木密地域の中小河川沿いこそ、新規の公園を計画し、通常時は憩いの場となり、震災、火災のときには延焼遮断帯や避難場所となり、そして洪水時には遊水池ともなる親水公園、緑地による水と緑のネットワークを形成していくことが、防災面からも、緑の創出の面からも一石二鳥、三鳥となると考えます。現に石神井川沿いには大規模な公園緑地が既に計画されていて、本当にすばらしいことだと思います。
そこで、都は、木密地域の中小河川の両側に、例えば幅五十メートルとか百メートル程度の帯状の大規模な公園を整備するなど、中小河川に注目し、中小河川を核として、水と緑のネットワークの形成を一層推進すべきと考えますが、所見を伺います。
〇飯尾都市整備局長
都はこれまで、都市計画公園緑地の整備方針において、水と緑のネットワークの形成や、防災機能の強化等の観点から優先的に整備すべき区域を明らかにし、公園等の事業化に取り組んでまいりました。
例えば、お話の木密地域の周辺では、都は善福寺川沿いの和田堀公園を、区は妙正寺川沿いの中野公園を、それぞれ適切に役割分担しながら整備を進めております。
こうした中、都としては既に都市計画決定し、いまだ供用されていない区域について、計画的に整備を進め、その機能を早期に発揮させることが重要と考えております。
今後とも、整備方針で示した重点化の考えに基づき、地元自治体と連携し、丘陵地や崖線、河川沿いの公園等の緑を充実させ、水と緑のネットワークの形成を図ってまいります。
〇吉田委員
さらにさらに進めていただきたいと思います。
http://k-yoshida.jp/koichiro/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=103